当サイトの以前からの注目銘柄(初掲載時はお奨め銘柄の表現)である健康コーポレーション(2928)が、株主優待の大幅な拡充を発表しました。
この事柄に関連していくつかの論評をします。前回銘柄掲載記事はこちら。
優待の拡充について
さて、株主優待の拡充ですが、年2回(権利確定月:3月, 9月)、100株以上、6000円の自社商品、200株以上、12000円の自社商品、300株以上、15000円の自社商品、いずれもカタログでの選択。
前日終値、465円ですから、一単位5万円以下で、年間で12000円、優待利回りは26%以上になります。さらに配当もありますから、ざっくり3割程度の株主収益になる可能性もあります。3年程度で投資金額の回収が出来るとも言えるわけで、大幅な拡充と言うより、衝撃というレベルです。
ただし、当サイトがお奨めとして初掲載した誰も注目していないころの2011年7月時点で、当時一株単位銘柄で18000円(現在単位換算で180円)で3000円(年間6000円)の優待でしたから、30%を超えていました。この会社のスタンスとしては、ごく当たり前の株主還元目標であるのかもしれませんので、驚くことはありません。
何よりもこの会社を当サイトが注目したことの1つは、現在では中止してしまっていますが、主要事業別の毎月の売り上げの発表など、株主に対しての配慮が行き届いていたと言うことです。優待にも通じるものです。
このような大幅な優待をして大丈夫かと、株主の方が心配になるかも知れませんが、以前から言及していますように、この会社は製造から販売まで自社もしくは自社グループで行っていますので、おそらく経費は3分の1以下(お食事優待券を出している飲食会社の食材経費率も3割以下)、逆に言えば広告費がなければ、莫大に利益率が高い会社です。
子会社の優待
ゲオディノス
同時に子会社のJASDAQスタンダード上場のゲオディノス(4650)の優待も拡充されました。年2回(権利確定月:3月, 9月)。
100 株以上 200 株未満、レジャー施設を無料で利用できる株主御優待券8枚贈呈もしくは、9,000 円相当の健康グループ商品。 200 株以上 300 株未満、レジャー施設を無料で利用できる株主御優待券 16 枚贈呈もしくは、12,000 円相当の健康グループ商品。300 株以上、レジャー施設を無料で利用できる株主御優待券 24 枚贈呈もしくは、15,000 円相当の健康グループ商品。
こちらも劣らず衝撃的です。同時に健康コーポレーションとの戦略的事業資本提携が発表されました。
イデアインターナショナル
気になりますのが、同じく子会社のJASDAQグロース上場のイデアインターナショナル(3140)です。
健康コーポレーションの2014年3月期の第2四半期の決算説明会では、イデアも含めて優待を拡充すると言及していますが、まだ発表はありません。
イデアは、決算期が6月、おそらく決算、もしくは株主総会近辺等に何らかのアクションがあるのではないかと思っています。
健康コーポレションは、美容、健康事業、パーソナルダイエットジム、介護、レストラン、アパレル、システム開発、コールセンター会社、住関係雑貨など、健康をキーワードに、数々の領域にM&Aもしくは、新規進出で、陣容を整えています。
先日もアパレル領域を、アンティローザのM&Aで梃子入れして、従来の妊婦及びベビー服のエンジェリーベ、中高年対象の馬里邑(まりむら)に加え、ほぼ全年令対象のグループ化構築をしています。
販売力などに問題のある会社を手にして、コールセンターやシステム、生産工場など、グループ間でシナジーを効かせ、健康コーポレーションの販売ノウハウや厖大な顧客名簿で、グループ構築、支援をしていますが、イデアインターナショナルの担当の住関係雑貨は、まだシナジーが効いているとは思えません。
子会社化していた日本リレント化粧品との合併で、イデアのオーガニック化粧品は、国内生産が可能になりましたが、まだまだ、経費節減の範疇です。
先日売却した弘乳舎のように、安定的な利益が上がっていて、配当金で元が取れるような会社と違い、業績が十分で無い会社を、この程度のシナジーで放置するようなことは、健康コーポレーションらしくはありません。
おそらく何らかの戦略的な提携、もしくは新事業進出などの提携と共に株価価値の向上を目指して来ると思っています。
拡大戦略
当サイトが優待銘柄に注目する1つの理由は優待銘柄投資法で予てから書いていますが、その理由のうち、2、場合によっては1が、該当します。(当サイトのスタンスは、このサイトについてをご覧下さい)
健康コーポレーションは、過去も現在もM&Aが戦略の1つです。
子会社や自らの高株価を背景にした会社の資産価値を元にして資金を捻出、これはソフトバンクを始めとした多くの企業と同じ戦略です。そして、このために優待を使った株価の維持は、コロワイドなどと同じ戦術です。なぜIT企業でもない、そして、十分過ぎる資金力がないコロワイドが次々に大型のM&Aが出来たのか、事例を見れば明らかなことです。
さて、今まで説明したように、優待を使った戦略は、優待金額に対して、会社の負担が少ない企業にしか出来ません。健康コーポレーションはこの位置にいます。この戦略に実に好都合な会社なのです。
そして、ここに来て、優待の拡充、自己株式の購入消却、配当率の増額を打ち出してきています。すべてが高株価を指向しています。
ここから類推できることは、M&Aの強化、おそらくかつて無い大型のM&Aの準備のためと考えられます。それは大きな戦略に基づくものであるでしょう。
健康コーポレーションは、最初のころの不確かな新興企業という位置づけから、売り上げ2~300億円以上、工場から販売網まで一体化した数々の分野のグループを保ち、人員も数百人、ヒット商品やシェアナンバーワン分野も数々の堂々たる企業集団になっています。ここまでほんの数年です。当サイトが最初に注目した当時は、若干のリスクのため、優待単位の範囲内での購入をお奨めしていましたが、隔世の感があります。
今では出していませんが、過去に健康コーポレーションが説明会で描いていた戦略図は、「心身、医療、教育、食品、環境、資本、情報」、このすべての分野を包括的に子会社群で網羅すると言うものでした。キーワードは健康や輝く人生です。
当時は、もしくは当時の規模では、世迷い言に過ぎない、勝手に言わせておけ、あるいは、夢ですねと言う感もありましたが、現在では現実的な戦略図です。
当サイトの見解は、ホップ、ステップ、そして、ジャンプの準備に入っているのではないかと言うことです。推薦時点から見ても株価は2.5倍に上がっていますが、これは序の口に過ぎません。札幌市場上場のこの会社の成長力が世間に知られるころ、株価はどうなっているか知るよしもありません。