明けない夜はない、地球が回る限り

最近、記事の更新が止まっていますので、今日は、当サイトのフーラムで語っていた話の要点をかいつまんで書きます。

再び巡る世界の補足です。

アンバランス

まず、こちらの図をご覧下さい。

https://journal.startup-db.com/articles/journal-startup-db-com-articles-marketcap-global-2024参照

平成と言う時代でも、似たような図を載せていますね。

さて、こちらは、2023年8月の株式時価総額の国別シェアのグラフです。
アメリカは強い、確かにそうですが、世界のGDPの約25%の米国の企業が、世界の時価総額の60%以上を担っています。こんな異常は、平成元年の日本に似ていると思いませんか。
(ちなみに、平成元年頃は、GDPシェアは、米国26%、日本14%程度でした。)

以前、日経225の十分の一の金額がダウでした。失われた.35年の間に同じぐらいになってしまいました。
この十倍の差を取り戻すことはないでしょうけど、ある程度の揺り返しはあると思っています。

時代の流れと輪廻の輪

世の流れを読むために大切なことは、覇権は何によって成されるかという事を明確に捉えて置く事です。

エネルギーなど色々ありますが、現在に置いて半導体が最も重要なアイテムです。
あらゆる産業、自動車、家電、兵器は半導体がなければ生産が出来ません。半導体は産業の米、戦略物質です。

またこの半導体は、エネルギーと違って、容易く支配しやすいのです。

この事を俯瞰して見れば、中国の台湾併合が成された場合、世界の覇権は半導体(生産の60%以上)を牛耳った中国に握られます。

ですから、米国は中国が台湾併合の意欲を示した今、中国への、特に半導体関連の規制を強化しています。
ウクライナには兵器等の援助しかしない米国も、台湾有事には軍事力介入の構えを見せています。
つまり半導体を中国に渡すな、これが現在の米国の最重要な安全保障政策です。

さて、いざ台湾有事が起きた時、米国には台湾防衛意欲があります。日本も援護するでしょう。
しかし、それが失敗した場合、不可能であった場合、台湾が担っていた半導体サプライチェーンをどうするか、中国に渡さないためにどうするか、アメリカの最大の関心事がこれです。

この命題に、過去には世界の半導体生産の50%以上占めていた日本が遡上しました。
現在、日本には半導体製造装置のシェア30%以上、半導体材料のシェア50%以上があります。
しかし、年々落ちていますので、これは課題でした。

現在、米国の思惑に寄って、日本に様々な半導体工場が建設されています。

このほかにもソニーやロームが新設します。2024年近辺だけでこのような状態です。もちろん、アメリカにもヨーロッパにも新設されています。

円安

しかし、日本の半導体工場に取って、円高ではかつての二の舞。

最近の急激な円安と、半導体工場への莫大な補助金は、日本政府と米国のそれぞれの思惑と、手打ちに寄って成された(はずの)ものです。

ですから、分かると思いますが、円高に戻ることはもう(中国の半導体が沈没する(潜在的な能力も無くす)まで)ありません。
もちろん、正確に言えば、これらの業界が円高に耐えられるようになってくれば、円安の手打ちは終了という事もありますね。
只、合意があるはずなので、米国から従来のように円安に対する文句が出てこない内は、円安容認でしょう。

再び興る

従って、日本の株式市場も復活します。日本は大きく復活して行きます。
それは新たな冷戦が始まった米国の意思でもあるわけです。
奇しくも前回の冷戦終結は、1989年、平成バブルが崩壊した年です。日本は急速に沈滞していきました。
今回、冷戦時の世界情勢に戻るわけです。

半導体以外のサプライチェーンも日本に戻ってきます。

今、5大商社全部が国内回帰を標榜しているのをご存じでしょうか。国内なんか成長すると思えないんだけど~と、言うのが一般的な意見でしょう。
しかし、私が書いたようなからくりは、5大商社全部が理解してると思います。
五大商社全部が国内回帰を表明しているのは、当然のことなのです。商社って、実際投資会社ですからね、このぐらい読んでいるものです。

半導体以外にもハイテク工場も日本に戻ってきます。これは中国牽制のために米国が影響力を使っていることでしょう。

AIとロボット

さて、現状、日本国内に労働力が不足しています。工場の新設が行われた地域でも1.5倍ぐらいに給料を上げても人が集まらないと言う話も聞きます。
給料は日本中でこれから上がりますが、これを根本解消するのは、AIとロボットです。

このAI導入は既得権益の業界(医療など)では軋轢を生みます。
しかし、労働集約産業では大歓迎で、大規模な投資が行われます。ホテルや飲食業、スーパーなどですね。
配膳ロボットなど、伊勢神宮のおはらい町でも当たり前に使われています。もう待ったなしに始まっているのです。
もちろん政策的な半導体工場でも、AIを導入する投資が行われます。

日本では追従、横並びに厖大な投資が行われます。既に事業投資はすごい伸びです。
もう始まっているのです。