アドベンチャー (6030)は、「地球最大の予約プラットフォームを目指す」としていますが、現状、航空券予約販売サイトのスカイチケット運営が主力です。

今日の株価は、 5,940円。現在のアドベンチャーの株価

株主優待は実施していませんが、行いたいと表明していますので、将来的に優待制度が始まると思っています。おそらく航空券の割引きになると思います。

航空券の販売は、利幅の低いものです。
町の小さな旅行会社を通して航空券を購入すると、料金上乗せで200円程度の手数料を取られたりしますが、これはなるべく扱いたくないと言う事を意味しています。つまり、航空会社から貰えるコミッションでは、やっていけないのですね。電車のキップと同じですので、当然と言えば当然です。

さて、格安航空会社(LCC)は、航空券の販売をネットのみで行うことで経費を節約しています。
これは、航空会社にとって、旅行会社などの代理店に販売して貰う委託手数料が過大な経費になっているということです。割に合わないと言う事ですね。

つまり代理店に取っては、手数料が安くてやってられない、航空会社にとっては、手数料が高くやっていられない、と言う事です。

また、最近はLCCなどが複数あり、航空券の予約するために各航空会社の値段の比較が大変になって来ています。
ですから、利用者には、目的の路線で、許容される時間で、とにかく安い航空会社の航空券を簡単に予約したいという需要がありますね。

つまり、アドベンチャーは、これらを解決する、安い手数料でも割の合うネットを使った各航空会社の航空券の比較、航空券の予約サイトを運営している、OTA(Online Travel Agent)です。

アドベンチャーのような航空券予約会社は、先行しているアメリカなどではシェアを高め、かなり売り上げを上げています。
またお互いに情報提供(航空券の販売融通など)を行って航空券販売の相互運用を行っています。

こういった会社に大切なことは、使い勝手の良い予約サイト、品揃え、直接の契約航空会社が多い事、情報提供をして自社を通して(自社が上位代理店で)販売する予約サイトを多く持つことなどです。
率直に言って、スカイチケットは使い勝手が良いと思います。また、日本のLCCなどはアドベンチャーと直接契約になっていると思われ、世界400社以上の航空会社の航空券を扱えているのは、多くがアメリカのOTAと友好的な関係を築いているからでしょう。

日本に似た会社もありますが、アドベンチャーの特長は、現在の社員数17名で、人件費は極限まで抑えていること。また、予約サイトは、世界の17の国、地域に展開し、外国人利用者も増えていることなどです。
WEB、サーバー等技術者も取り込んでおり、サイトの立ち上げ、改修、航空会社などとのサーバーの接続などが自社内で出来ます。そして、予約に特化した会社では、日本で唯一の上場企業です。

業績は爆発的に拡大しています。売り上げの拡大に対して、さらに利益の拡大が大きいのは、装置産業の特長です。
売り上げが増えても運営経費はほぼ固定ですから、売り上げが増せば増すほど、利益率が拡大する訳です。
現在は広告費の投入に尽力していますので、ある程度認知され、広告費の割合が下がれば、さらに利益率が良くなるでしょう。

そして、民泊関係、ツアー宿泊等、旅行関係の予約の拡大、さらには、歯医者や美容院、レストランなどの予約サイト等などを積極的に行っています。
また、各国語サイトでの外国人の予約利用や、民泊関係など、今後オリンピック開催に向けて、アドベンチャーの果たす役割も多いと思われ、オリンピック関連として、メガトレンドに乗ることも期待出来るかも知れません。

さて、楽天トラベルなど大手の総合ネット旅行会社との比較ですが、ネットで行っていても利幅の低い航空券のみで完結する予約販売システムの構築、運営は経費の問題があります。また、JALやANAと合弁会社を作ってツアー販売もしている関係もあり、LCCを含めた、各航空会社の航空券の比較販売サイトの構築は難しいかも知れません。
ですから、ヤフートラベルもアドベンチャーと提携して情報提供を受けています。

また今後展開をしていく、レストラン、マッサージなどの各種予約サイトは、航空券に増して利幅が低いものになると思われます。
自社ですでに予約システムを構築して、人件費を極限まで抑えている、先行しているアドベンチャーに周回遅れであっても付いていける会社は、それほど多くないと思われます。

現状株価は、割高です。表面上の成長性を考慮に入れても、やや割高です。ですから、まだ下落する可能性もあります。
しかし、現在、テクニカル的に下降トレンドが終わった感じも出てきており、また将来的に東証一部などの上位市場への指定替えも視野に入れていると表明されていることもあり、潜在的な成長姓を考え、最初の打診買いをするのに良い時期かも知れません。
また、高株価ですが、分割も考慮中と言う事ですので、34株、50株と、分割した場合を考慮に入れて端株で買って置いてもよろしいと想います。

当サイトの見解ですが、発展途上で、それも黎明期に近く、やや危うさもありますが、将来的な発展性の大きさもあり、参考銘柄とします。
※2019年のカテゴリー区分の変更に伴い、注目銘柄に変更しています。