衆議院選挙が終了し、第三次安部内閣が誕生しました。
選挙結果について
少し惜しいところもありましたが、充分な結果だと思われます。微減という報道もありますが、0増5減がありましたので、実質的に自民党は増えています。投票率が減少しましたので、事前の予想より獲得議席が少なめになったものと思われます。もちろん、何か別の意味を持たせようとする論評もありますが、組織政党の公明党と共産党が伸びたのは、この投票率の低さのためです。
投票率が減少したのは、ひとえに安倍内閣の信任投票になったこと、過半数以上の候補者を立てて闘った野党が存在しなくて、政権を選ぶ選挙でなかったことがあります。端的に言うと野党第一党の民主党の責任に他なりません。
それはともかく、圧倒的な多数での安倍内閣の政権運営が続きますし、アベノミクスも続きます。
安部総理について、改めて感想を述べると、非常に戦略的で、今までの総理にない優秀さを感じます。そして、勝利を確実に手にする戦術家でもあります。
先日少し述べましたが、財務省の消費税再増税への包囲網を突破するために選挙に打って出たと言う解説が、ようやくマスコミや消息筋から出るようになりました。大義がないと言った新聞社の取材力のなさが分かりますね。もちろん、朝日、毎日、東京(中日)の左翼系新聞は、プロパガンダで行っていたのでしょうけど。
さて、財務省の圧力を跳ね返した政治家には、グリーンカードをつぶした金丸信がいますが、のちに財務省の傘下の国税局から所得税法違反などで告発を受けましたね。だからなんだと言うつもりはありませんが、気を付けて欲しいですね。
選挙後の経済について
まだまだ書き足りないのですが、日本経済はこれで立ち直ることが出来るのかということについて。
もちろん、今後の展開によりますが、ギリギリセーフと言った面もあります。もう一度消費税を上げたら、日本は終わっていたという印象でした。私も非常に危惧していましたし、感じていましたが、1割の消費税は、心理的な面でも非常に重い税率です。
3%の時に大した影響がなく、5%の時から日本経済が落ち込んでいったのは、景気減速期の増税であったと言う理由以外に、5%は重税感が出るということだと思います。つまりまず腹が立つ。
実際問題、景気とは気の持ち方の面が大きいのです。ほんの僅かの気分で人の消費は変わります。
特に今はデフレから立ち直れるのかどうかの正念場です。8%でこれだけの落ちこみ。10%では破壊的です。(ちなみにもし日本で消費税を増税していくのなら、好況時であるのは当然ながら、内税にして、さらに1%ずつ上げていくようなひっそり感が必要だと思います)
しかし、これで更なる増税が阻止されたことは、景気にとって喜ばしいことです。そして、もっとも当てになる財源と言うのは、景気回復なのです。
もちろん、これから消費税の8%の増税によってもたらされた落ちこみの手当をしないといけません。しかしながら、私は国内事情だけなら楽観しています。先日選挙は最後の正念場なのかで、少しふれましたが、GDPの中身は実は見かけほどひどくはありません。
回復してきていますし、非常に悪いのは、住宅投資だけです。住宅投資というのは非常に大きな買い物で、駆け込み需要が終わった後、すぐに又、売れるものではありません。つまり、住宅計画のある人は、増税前に前倒しをしまくり、駆け込むだけ駆け込みます。
もちろん、経済対策の上積みは必要ですし、減税も必要ですし、更なる金融緩和は必要だと思います。でも、何とかなる、そんな感じがします。
減税は、もし消費税を5%に戻すことが出来るのなら、それはそれで最高なのですが、絶対に無理でしょう。しかし、法人税の減税は、ぜひ行って頂きたいと思います。まず日本の法人税は高すぎます。決算で、経常利益がこれだけで、純利益がこれだけ、この落差の巨大さに違和感を感じられた方も多いと思います。
法人税の減税とか言いますと、すぐに企業優遇だとかの話が出てきたり、中には大企業から取れるだけ取れというような極論までありますが、本来、法人税は取るべきものなのかという、素朴な疑問もあります。
企業は利潤を得て、税金を払い、残ったお金で従業員に給与を払い、そこで従業員はもう一度、所得税を取られます。税金を取った後のお金から税金を取るわけです。または、利潤から税金を払い、残ったお金を配当で投資家に支払い、投資家は税金を払います。これも税金を取った後のお金から、またも税金を取るわけです。
そもそも法人というのは、従業員や投資家が便宜上作っている機関、組織であり、道具です。言わば架空であり、実体というのは従業員や投資家だけなのです。従業員や投資家に分配するときに課税すれば良いという理念もあります。
この話も書き出すと切りがありませんが、とにかくどこかを減税すれば回り回るものです。法人税を減税すれば、設備投資や給料を増やすことが出来ます。もちろん他の税でも同じですが、企業の国際競争力や内需を拡大するのには、法人税の減税がもっとも良く効きます。
減税という話になるとすぐに財政再建が、、、という話になりますが、もう一度書きますが、景気回復より大きい税源はありません。
ここは意見を述べる場ではありませんので、もうやめますが、現在検討されている法人税の減税。これは期待しています。
そして、更なる金融緩和。これは日銀が判断することですが、「二年を目安に2%のインフレ目標」、このためにはもう一度の緩和が必要ではないか、そう思っています。
アベノミクスと言うのは、三本の矢とか言いますが、実体はリフレ政策です。金融緩和と財政政策、何はともあれ、これを続けるだけでかなり大丈夫でしょう。唯一の懸念の消費税の再増税がなくなりましたので、8%の増税分を何かで埋めるだけ、それは最悪、時間でも良いのです。
そして、原油安は、日本経済にとっては、さいわいな事です。
株式について
消費税の再増税の延期、円安、原油安、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株式への資金配分の増加、ハロウィン緩和の実施、これらすべてが、株価上昇に有利に働きます。
非常に未来は明るい、と言いたいのですが、ルーブルの暴落など、逆オイルショックのような様相が現在、起こっています。
これについては、現在、判断が付きませんが、原油価格は、1バーレル30$ぐらいはあり得ると思っています。リーマンショック時は38$まで行きましたが、それ以上になってもおかしくないという印象です。
サウジと米国が組んでルーブル下落を仕掛けるための原油安の陰謀説など、種々ありますが、やはり産油国のシェールガス革命に対抗する価格低下政策、もしくはサウジが減産などの統制力を失っているかのどちらかではないかと思っています。
ギリシャ危機の再来や資源国のデフォルトなど、外的要因がなければ、日本株は強いと思っていますので、このあたりを注意深く観察したいと思っています。