再び巡る世界

すでに多くの方が、感じているかと思われます。
新型コロナ後の動乱世界を見据えて」、その補足の「それでも株は上がり続ける」、「消えていく幻想、変貌する世界」などの一連の投稿で語ってきた、歴史的な変動が始まってきているようです。

既に多くを語っていますので、詳しくはそれらの投稿を順番にお読み下さい。

大きなうねり

おそらくインフレへの回帰、円安の時代が始まりました。

端的に要点を書けば、貯金するしか能の無い方は、これからは地獄を見るでしょうと言うことです。
インフレ経済での相場が始まります。
株式を資産に組み入れている方は、生き残ることが出来るだけで無く、資産拡大を行えるでしょう。

また、上がった株は下がると思っていた方は、株は下がってもまた上がると認識を変える必要があります。
現在の株式市場参加者のほとんどは、平成バブル崩壊以後の市場しか知らない方々だと思われます。
デフレ下での相場感が染みついていますので、意識して認識を変える必要があるかも知れません。

まだまだ懐疑的な方も多く、執筆時現在で、日経平均は33,000円を超えていますが、過熱しすぎ、ここがピークと言うアナリストなどの意見が多いようです。
もちろん、何度も揺り戻しはあるでしょうが、市場は今までとは様変わりの動きだと思っています。
株価の上昇に対して、バフェット効果とか理由は様々言われますが、根底的にはインフレ経済への芽生えがあると言うことだと思っています。

しかしながら、そもそも日本銀行は物価上昇はいつまでも続かないとの認識のようです。
ただし、経済指標よりも大きな変化、様々な物の値段の上昇、賃金の上昇、そして、何よりも価格改訂(上昇)の決断に対しての経営者の抵抗が少なくなって来ている事が重要です。
デフレ下では価格の上昇改訂は一大決心でした。シェアを失い、失速してしまうかも知れません。
これは自助努力では原材料の上昇の影響を吸収出来ないところまで来たと言う事実だけでなく、将来的に原料価格が再び落ち着くと言う事はあり得ない、他社も同じ行動を取るしかないと言う強い認識があると言う事を示しています。

継続的な円安、石油価格の上昇、電気料金の上昇、すべてがインフレ社会の到来を告げますし、担保しています。この事が絡み合い、更なる価格上昇を引き起こします。
そして、何よりも日銀の認識が基本的には物価は落ち着くと考えているらしく、対策を取っていません。
消費者物価指数の年度比上昇率の見通しを引き上げる検討に入ったという段階です。
この足踏みの結果が将来さらに物価上昇を加速させることでしょう。

おそらく1年も経てば、誰の目にも明らかになると思われます。
最終的にはかなり進むと思っていますが、言い出す人などが出てきそうなので、書いておきますが、もちろんハイパーインフレではありません。
ハイパーインフレは月に50%以上も進む異常インフレであって、ほとんどの生産設備が破壊されるような場合にしか起こり得ませんので、ご安心ください。

インフレ社会とは

デフレからインフレへの転換は、社会的にも大きな変化をもたらします。
守りの行動から、攻めの行動への変化に乗り遅れた方達の淘汰が始まります。
平成バブル崩壊で、積極的な行動を取る経営者が淘汰され、防衛的な経営者が生き残りましたが、その歯車が逆転します。
つまりデフレ脳をインフレ脳が駆逐して行きます。

高が経済状況と思われるでしょうが、それは人の態度変容に繋がっていきます。

デフレ下では、借金を返し、その他は、むしろ何もしない経営者、いえ、人件費を削り、値下げするしか能の無い経営者が評価されていました。そして、低価格戦略を取る企業が活況を呈しました。
経済は縮小し、賃金も上がりません。
消費者も節約を旨として、貯金に励みました。デフレは貯金しか能の無い何もしない人が得をしました。
待っていれば、物の値段は今日より明日が安くなり、お金は持っているだけで価値が上がりました。

デフレ下では、消極的な人、何もしない人が利益を得ました。行動はむしろ悪でした。
しかし、デフレは通常の事ではありません。歴史的にはインフレの社会が普通です。

インフレ下の時代は、借金をしてでも、果敢に新事業やシェア拡大に走る経営者が多くの場合、成功をします。
行動をすることが正義です。能力のある人、努力をした人が利益を受ける時代とも言えます。

物価は上がりますが、賃金もやがて上がります。貨幣価値が徐々に下がり、経済は活況を得ます。
つまり、株高の時代です。

日銀が物価上昇率2%を目標にしていることでも分かると思いますが、ほとんどの場合、経済的なものも含め、幸福はインフレ下の社会にあります。

失われた30年が終わることを祈って、ここにテイクオフの細やかな狼煙を揚げておきます。