株式投資と大局観について

相場の見通しでは、目先観、中勢観、大勢観などがあります。
しかし、大勢観は、長期的な見通しと言っても、概ね一年程度と解説される場合が多いので、ここでは敢えて大局観と表現しています。

ここで私の言っている大局観というのは、大勢観より、遙かに長い期間の俯瞰を言います。
経済学の景気循環で言う所のコンドラチェフ循環(約50年周期の波動)を見ていくような株価の波動を見ることです。

私は零細で塵のような投資家ですが、単なる市場参加者ではなく、長期投資家の端くれですので、一応、この大局観は持っています。
しかし、このような永い時間感覚を述べると、オカルト染みた話になってしまいますが、与太話の1つとしてお読み下さい。

産業革命

現在は第四次産業革命が起こりつつあると言われています。
ご存じの通り、第一次産業革命は、イギリスで起こりました。蒸気機関の発明などでの、機械の時代の始まりでした。
第二次産業革命は、石油や化学の時代とも言われますが、火力発電所などで作られる厖大な電気エネルギーを使った、電気の時代と思っています。
第三次産業革命にも統一見解はありませんが、概ねコンピュータの時代と言われます。

  1. 機械の発達とその時代(第一次産業革命)
  2. 電気の発達とその時代(第二次産業革命)
  3. コンピュータの発達とその時代(第三次産業革命)

これが産業の移り変わりです。
最初の産業革命では、人に代わり、機械が物を作るようになって来ました。次ぎの産業革命では、電気エネルギーや石油エネルギーが物を生産するようになりました。
そして、現代では、コンピュータにより、自動化されて生産されています。

よくある生産現場では、機械で出来たことは、電気で行え、電気で出来たことは、プログラムで行えと言われます。
これは時計などを見れば分かります。
始めは機械仕掛けでした。次ぎに電気で動く時計が出来ました。現代ではコンピュータ(CPU)で制御されて時を刻みます。

このような変化は生産現場の様々な生産機器でも同じように言えます。

来たるべき第四次産業革命時代

そして、次ぎに起こるのが第四次産業革命です。これは今、起こりつつあります。

この産業革命は、IoT(物のインターネット)と、AI(人工知能)と、ロボットによるものと言われています。
ロボットが人の補助をし、すべてのものがインターネットに繋がり、自分で通信しながら、ある程度、自立思考して動きます。

第四次産業革命は、すでに多くの研究が始まっている、車の自動運転を考えて見れば、分かり易いと思います。
自動運転をする車は、もはやロボットです。当然にインターネットにも繋がり、情報を収集し、発信します。
その他にも数々のセンサーを備え、そして、AIによって判断して走行します。
乗員に急病があれば、インターネットで通報し、救急車のAIと調整して、合理的な場所で落ち合い、急病人の受け渡しを行うのでしょう。

社会全体が有機的に繋がり、物が知能を持った世界になります。
もちろん、少子化による労働力不足は解消します。

※ロボットに関しては、ハーモニック・ドライブ・システム (6324)を参考銘柄にあげています。IoTやAIに付いては、現在、選定中ですので、もし絞り込めれば、参考銘柄にあげたいと思っています。

大局観と株式市場

まず、私の作っているこのチャートをご覧下さい。
見にくい場合はクリックして拡大するか、スマホの方なら、ピンチ(二本指で拡大操作)してください。

 

日経平均の戦後(1949年)から本年(2017年)までの年足チャートです。本年の分は、まだ確定した足ではありません。
楕円は、ほぼ20年間をマーキングしたものですが、最後の楕円はまだ9年しか経過していません。

最初の20年間は、戦後の復興期にもあたり、結果的にかなりの上昇をしていますが、割り込んでいる年もあり、不安定な時代でした。
次の20年間はブラックマンデーの暴落もありましたが、産業が拡大をし続けて、株価も大きな上昇をしています。
そして、その後の20年間は、低迷の歴史でした。
現在は上昇に転換していますが、何もなければ、あと10年ぐらい強いかも知れないと思っています。

私は漠然と、日本の株価の40年周期を大まかに見ています。
もちろん、正確に40年で回るわけではありませんし、今後も続くとも限りません。
また戦前は日経平均のデーターがありませんので、サンプル不足とも言えますので、本当に漠然としたものです。

ただし、経済学の技術革新によるコンドラチェフ循環(約50年周期の波動)とも近く、この周期は産業革命も深く関わっていると思っています。

私が株式ブログを開設したのは、リーマンショックのあった2008年です。
これは平成バブル崩壊より、20年を来年に控え、そろそろ大局の転換が近いという判断もありました。
しかし、あいさつと雑文の類いを少し書いただけで、ほったらかしにしていました。(その頃の記事はサイトの移転時に割愛しました)

そして、忘れもせぬ2011年6月30日に、心機一転をもじった「新規一転」のタイトルで、相場が上がる見通しの記事を書き、以来、更新を続けています。

奇しくも翌年から株式市場は持ち直し、そのまた翌年からアベノミクスが始まりました。その後、今日まで強い波動が続いています。
結果論と言われるのかも知れませんが、私はアベノミクス、もしくは何らかの経済政策が始まるのは、この波動から想定されたこととも思っています。
最初にお断りしたように、長期の波動論を書きますと、オカルトめいた話になりますが、この20年ごとに転換する傾向は、菅下清廣氏なども語っています。

特に見て欲しいのは、平成バブル頂点より20年の2009年と2008年がほぼ毛抜き底になっていて、大底を示しています。
また、平成バブル頂点の20年前の、1969年には明らかに今までと違った波動での上昇が始まっていました。

さらに話はオカルトへ

なお、当然のことですが、これから述べるような伝承の類いを思考の出発点にしてはいけません。
時代認識やチャートから判断して、20年を時代の変化の単位としている古くからの事例として見て、世の中には20年単位に何か普遍的な傾向があるのかもしれない程度の参考にしてください。

式年遷宮

この20年ごとの転換の40年周期は、先の菅下清廣氏も指摘していますが、日本の最高神である太陽神の天照大神(あまてらすおおみかみ)を祭る、伊勢神宮の式年遷宮の周期と同じ年数です。
伊勢神宮の式年遷宮は、20年ごとに社を建て替えて東西に移転します。

20年間の米の座は、精神の時代で、静か、沈滞、内向きなどを意味し、20年間の金の座は、経済の時代で、活況、激動、外向きを意味すると言われています。

2013年の10月に伊勢神宮は、20年間の西の「金の座」に移っています。まさにアベノミクスが始まった年です。
この遷宮の周期から株価の天井や大底は少しずれていますが、数年前から次の座の影響が強まると考えると、みごとに付合します。

風水では

実は、この約20年間と言う期間は、風水でも重視します。
風水三元九運学説と言うものがあり、1984年から、2003年までが風水下元7運でした。
下元7運は、卦は兌であり、口であり、情報伝達を意味し、コンピューターとインターネットの発達を示します。
この20年に急速にパソコンが人々の中に浸透し、インターネットが当たり前の時代になりました。
まさに、コンピュータの発達とその時代の第三次産業革命です。

現在の2004年2月から2023年一月までの風水下元8運は、卦は艮であり、少年を示し、手を意味します。
手は精密機器や道具であり、ロボットの発達を意味していると思われます。
もちろんそれに伴って、IoTや制御系の人工知能の発達も意味することでしょう。
まさに、第四次産業革命です。

メガトレンド

以上、不確かなものを含めて、大局観について語りました。

長期投資では、まず、メガトレンドに乗ることが大切です。
メガトレンドとは、時代を作って行く大きなトレンドです。

少し前の時代であればコンピュータでした。その時代、パソコン関係は投資に外せない物でしたが、現在のパソコンメーカーは凋落しています。

そして、まさに今、続いているメガトレンドはインターネットです。
しかし、インターネットそのものから、インターネットを使って何をするかに移っています。

これからは、ロボット、IoT、AIの時代です。これは大きな国策になっていくでしょう。
そして、まさに日本は、この第四次産業革命のど真ん中にいます。