去年の末、イデアインターナショナル(3140)は出航体制で、参考銘柄に選定していましたが、イデアについて、その後のフォローです。
参考銘柄として初掲載時より、順調に上昇して、現在は株主優待の権利落ちの調整から動意づいていますが、ここからが最も期待できるところだと思います。
記事掲載時の株価612円に対して、859円あっての優待権利落ち後の執筆時、783円。イデアの現在の株価。
前記事での需給計算のその後
株価の低迷の原因になった大株主の創業社長の橋本氏の株式大量売却の影響での、前回掲載の需給計算の続きを書いてみます。
大量売却前であると思われる、四季報資料14年3集(株数13年12月時点を掲載)で、株主数270名、浮動株は13.4万、その後、株式分割がありましたので、分割換算で26.8万株相当が浮動株でした。
現在の最新の四季報資料は、15年12月時点のものが掲載されていますが、株主数約6000名(5983名)。浮動株約160万株。これがほぼ大量売却終了時です。
株主数が約5730人増え、浮動株が133万株(13300単位)増加した形になっています。この増加した分を計算すると、1人あたり230株。
イデアの場合の優待利回りは200株の株数が一番有利ですので、計算上200株で持っている方が多く、増えた浮動株は優待需要に当てはまります。
15年12月に創業社長の売り抜けはほぼ終了しているはずですので、需給を悪くした大量売却は順調に優待需要で吸収されていると言うことです。
つまり、橋本氏の株式は15年12月時点で9万株しか残っていませんので、現時点はもうないか、売られることのない株式でしょう。
(15年7月以降に海外出国時に於ける株式譲渡益相当分の課税が始まりましたので、緊急に7月以前に香港に出国し、譲渡益課税を免れて無税で売却していた模様です。これが今回の需給を無視した無茶な売却に繋がったようです。※お陰で今でも安価にイデアが購入出来ます。)
この影響は完全に払拭されていませんが、需給は改善していますので、時間の問題、あるいは、切っ掛けだけです。
円高とパスポート戦力化
イデアの現在値は、200株の優待利回りで12%ほど。100株でも7.6%。
四季報予想では17年6月決算で、EPS59.3 円(16年6月予想は25.4 円)。このような株価で、いつまでもいるはずがありません。
マルコの記事で書いていますが、RIZAPグループは同じ雑貨会社のパスポート(7577 )をM&Aしています。
パスポートは自主企画製品3割程度で、多くの店舗を抱える小売会社の性格の強いところです。
パスポートの企画力は弱く、イデアはデザイナーを多く抱える企画主体の会社ですが、販売力にやや課題があります。
この両者の組み合わせは親和性が良く、パスポートの約7割の調達商品の内、半数がイデアの商品に置き換わったとしたら、イデアにとってそのインパクトは相当なものです。
パスポートにしてもグループ会社から調達することはメリットが大きいものです。
さらにイデアは、海外生産が多く、円高で利益が拡大する企業です。
社内レートを130円としていることを公表していますが、現在、ドル円は100円台です。相当な業績押し上げ効果があると思われます。
最新の四季報の16年6月予想でEPS25.4 円、17年6月決算予想でEPS59.3 円は、現在の状況を反映していません。
今期決算も上振れすることが期待されますが、決算発表での、17年6月度の来期予想がどこまでのものになるかが切っ掛けになるのかも知れません。(イデアの決算発表は、8月10日予定。)
来期予想は、取り巻く状況の変化と、為替を反映して、かなりインパクトがある可能性があります。
もし、そうでなく次期予想が、現在の四季報が予想しているEPS59.3 円程度であったとしても、現状の株価のままなら、予想PERは13程度になってしまいます。また、200株の優待利回りで12%です。あり得るのでしょうか。
当サイトの見解
以前からお伝えしていますが、購入されている方はこのまま持続、決算及び発表される次期予想を期待しましょう。今からの方も妙味充分です。
また、以上の変化を踏まえて9月の四季報での記述も期待できると思われますし、トヨタへのOEMやリッツ・カールトンの上級ルーム採用など、存在感も出てきていますので、長期的にかなりの株価の成長も期待出来るかも知れません。何よりも株数608万株、時価増額たったの48億円です。
前回記事と引き続き、イデアは業績も完全に立ち直り、以上述べたように下値不安が非常に少なく、優待利回りも高いため、どなたにもお奨め出来るかと思います。
※後日記載(8/14)
イデアの決算が発表されました。純利益は税効果で増収になっていますが、営業利益は会社予想に対して未達。減収になっています。
短信で説明がありますが、「利益については、ブランド認知率を高めるために将来を見据えて戦略的に広告宣伝費を投入した」と言うことです。販売費及び一般管理費が増加していますが、売り上げ規模は変わっていないため、主な増加はこの説明の広告費だと思われます。
これを勘案して、前期並みの 販売費及び一般管理費としますと、2億7千万の営業利益。約50%の増収です。
さらにこれに為替差益が乗りますので、実質、かなりの利益成長です。売り上げ規模も不採算店7店舗閉鎖して微増ですので、順調に増加しており、今期、店舗閉鎖はないものと思われますので、予想通りの拡大に向かうでしょう。
今期予想に対しても、慎重な見方になっていますが、為替差益はこれから本格的に出てくると説明もありますし、ミレストの店舗増加もありますので、売り上げ予想も勘案して考えますと、実質は四季報での17年予想以上であると思われます。
これも会社側としては、余裕が出た利益部分は、戦略的に広告費、あるいは店舗の増加に投入するという事なのでしょう。
決算発表を受けて、表面的な見方で売られましたが、当サイトの見解としては想定通りか、それ以上の成長と考えています。