暴落について
最近、株価が下がり、暴落という話です。
心配されている方々もおられるようです。心配を解消して差し上げることは出来ませんが。暴落について、ちょっと書いてみます。
まず、株式市場には、暴騰も暴落もあります。
株価は動いているものですから、その中の大きめの動きを名付けると、そう言います。
年に一度ぐらいは、小さな暴落があり、3年に一度ぐらいは、中規模な暴落があります。そして、10年に一度ぐらいは大きめの暴落があります。
つまり、暴落というのは、特別なことではなく、市場がある限り起こります。
そして、予測することは、出来る場合もありますし、出来ない場合もあります。無害なものもありますし、深刻なものもあります。
暴落というのは、無数にあり、一々言及しても仕方が無く、市場参加者の不安感だけでも起こります。
当然に不安感だけで起こったものは、無害です。見物していればよろしいでしょう。
歴史的な暴落
年足の以下のグラフをご覧下さい。見づらい場合は、クリックまたはピンチして、拡大してください。
有名な暴落だけ記述しました。
ブラックマンデー
もっとも有名なブラックマンデーですが、年足で見ると、長めの上ひげがありますが、普通に上昇過程の陽線です。
その時にショックはありましたが、20年間に及ぶ経済の上昇期で、株価も行き過ぎておらず、ほどなく回復しています。
記憶違いでなければ、多くの個人投資家が暴落に買い向かいました。相場に自信がたっぷりでした。
ブラックマンデーは、国内要因ではなく、米国の余波でした。
理由の定説はありませんが、米国株価は割高になっており、暴落するかも知れない条件は整っていました。
ブラックマンデーは有名ですが、実際には心配する必要もない暴落でした。
平成バブル崩壊
こちらは、有名な暴落ではありません。
年足ではむごたらしいですが、特に巨大な下げ(暴落)があった訳ではなく、下げが止まらない感じでした。
当時、市場平均のPERは80倍を超えており、赤字企業も将来的な成長も見込めない企業も株価は上がっていました。
理不尽な株価が崩れていきました。
完全に国内要因で、株価と経済に乖離があり、経済の拡大を(過大に)期待されたバブル相場の崩壊でした。
名前の付くような暴落はありませんでしたが、怖い暴落です。ここから、日本は失われた20年に入っていきます。
ITバブル崩壊
割高な相場が是正されていき、経済も低迷していた長い下降期のやや後半、IT企業の株価が暴騰して、そして、暴落しました。
平成バブル崩壊と同じような相場が一部(IT企業)で起こったと言う感じです。国内海外、双方が原因でした。
サブプライムショック
俗にリーマンショックとも呼ばれます。
サブプライムローンの破綻が、リーマン・ブラザースの破綻を引き起こしました。
要因は米国でしたが、リーマンやAIGなど、世界的な金融機関の破綻や危機により、経済活動も健全に機能しなくなりました。
20年の下降期の後半のITバブルで下げた相場が、立ち直っていく過程の市場を襲ったと言う感じです。
リーマンショックの前の上昇は、打ち消されます。
20年の下降期の最後を飾る暴落だったと思います。
影響が大きかったと言う人もいますが、早すぎた上昇が是正されただけで、特に下値を切り下げた訳ではないと、年足をみれば分かると思います。
ウォール街大暴落
グラフにはありませんが、1929年のウォール街大暴落がもっと有名かも知れません。
当時、経済が活況で、「経済の拡大を(過大に)期待されたバブル相場の崩壊でした。」このカッコの文章は、平成バブル崩壊の項目で書いた一文のコピーです。
平成バルブ崩壊と同じ説明文が使えます。
この後、世界は恐慌に入って行くのですが、暴落が引き起こしたと言うより、経済の瓦解を株価が予測して動いたと言えます。
もちろん、平成バブル崩壊と同じです。
サブプライムショックも経済が崩壊して恐慌に入る可能性が少しはありましたが、その時期ではなく、株価もバブルになっていた訳でもありませんでしたので、ほどなく立ち直るわけです。
世はひねもす、のたりのたりかな
現在のちょっとした暴落は、どれほど影響するか分かりませんし、予想も出来ません。責任も取れませんしね。
只、歴史的な暴落の説明を読めば、判断材料にはなると思われます。
現在の東証の平均PERは、12倍ぐらいでしょうか。
ちょっと前は、16倍ぐらいまでは行っていたと思われます。平成バブル崩壊の時は、80倍でした。
バフェット指数と言うものがあります。
長期投資家のウォーレン・バフェットが使っている指標で「株式市場の時価総額/GDP×100」で株価の割安、割高を判断します。
100%を基準として、上回れば割高、下回れば割安と判断します。
さて、現在、日本は、117%。平成バブル期は、140%以上でした。米国は143%で、ちょっと不安です。
日本は、上回っていますが、大したことはありません。
いずれにしても、考慮すべきは、経済がどうなるかです。経済の拡大期の中の暴落は霞と同じです。
また、あなたの持っている企業の成長性が終わる可能性があるのか、ないのかです。
市場が活況か、活況でないかだけが、株価の水準を決める企業と、成長企業は別だと言う事です。