先日、消費税について言及しましたが、私の考えと見通しを書いておきます。

基本的なスタンスとしては、私は消費税と言うものには賛成です。しかしながら、現在の状況(デフレ下)での消費税増税には断固として反対をします。

理由は明らかです。デフレは簡単には脱却が出来ないかも知れないからです。現在、アベノミクスによって経済は明るさを取り戻していますが、それは只単に突破口が見え始めたに過ぎないかも知れません。大きな傷の上に薄皮が張った状態でしかないのです。デフレの闇の深さは誰にもわかりません。侮ればまたもっと深い闇に落ちて行く可能性もあります。私たちは敵の正体を本当に知っているとはいえないのです。今、生きている人々の中で、デフレとその戦い方を知っている人がいるでしょうか。いません。私たちは、歴史上希に見る怪物と闘っているのです。

消費税を上げても大丈夫と言う意見は、デフレの経験もなく言っている何の根拠もない願望でしかありません。そして、今、15年以上も続いてきたデフレ脱却に失敗すれば、日本に明日があるかも不明なのです。

消費税を増税することのリスクは限りなく大きく、得られるものは非常に少ないでしょう。

実体経済を明らかに冷やし、もしそれほどの実害がなくても、税収を落ち込ませます。増税分と落ちこみ分が相殺され、仮に増税分が勝るだろうとしても、果たして限りないリスクと、天秤に掛けられるものでしょうか。

では、消費税を今増税しなかった場合のリスクはどうでしょう。このまま経済が復興すれば、かなりの税の増収効果が想定されます。もしこの自然増収が消費税を増税した時に得られたであろう額に届かなくても、リスクはたったそれだけです。数年待って経済に十分な強さが出てきた時に消費税を上げればすむことです。その間、多少国債の残高が増えても、それが何でしょうか。日本は自国通貨建てで国債が発行出来ている数少ない国です。通貨の発行も国債の発行も同じ政府の借金に変わりなく、経済理論的には同じ程度のリスクです。

現在、税金を払っていない赤字企業は約7割です。デフレから脱却出来て、たくさんの企業が黒字化すれば、経済弾性率で国債の増加分ぐらい簡単に返していけます。逆に、デフレからの脱却に失敗すれば、仮に消費税で税の増収効果がもし有ったとしても、日本経済や財政規律はどうにもならなくなります。

考えられるリスクと、得られる利益を天秤に掛ければ、そして、まともな思考が出来れば、今の状況で消費税の増税など、愚の骨頂です。

私でも、両天秤に掛けて、そんな割りの悪いことはしません。デフレ基調から脱却しそうだったの英国は、付加価値税を上げて経済が落ち込み、税収も減収した、バブル崩壊時の橋本内閣の時の増税も、経済が大きく落ち込み、税収も減収した、他にも同じ例は盛りだくさんあるが、今度は大丈夫、、、こう言う根拠のない意見は、狂人の意見か、謀略以外の何ものでもありません。

私は、安部総理の政権運営を見ていて、普通に思考すれば分かることが分からない、そのような無能者だとはとても考えられません。消費税は当面は延期される、最悪でも税率がかなり軽減されると見なしています。

これが当サイトの見通しですが、もちろん、財務省の圧力や自民党内の財政原理主義者の跋扈もあり、投資は両面を睨んでする必要があります。