消えていく幻想、変貌する世界

世界が大きく変わり始めています。このことに付いて、つれづれなるままに。何かのヒントになることを期待した雑文のようなものです。

時代のうねり

新型コロナウイルスによって、生活習慣は変貌し、社会も大きく変わりました。
狭くなっていた世界もまた遠くなりました。IT社会の進展である意味では狭く、変化も早くなりました。

ロシアのウクライナ侵略では、ある人々の頭の中にあった幻想を打ち砕きました。
単に平和とは、戦争と戦争の狭間の時代に過ぎなかったと言う事が再確認されました。

話し合いとは、お互いの戦力が均衡した状態でないとあり得ない事象です。

核を持つ国が持たない国に侵攻するのは止めようが無いと言う単純な事実が証明されました。
ソ連崩壊時には、ウクライナには世界第三位の量の核兵器が存在していました。
ロシアを始め、米国も含め、様々な国がウクライナの平和を保証することで核兵器を撤去しました。それが今日の事態を招いた一つの歴然たる事実です。

力のドグマは、過去から歴然と存在していて、これからも存在します。

さて、ウクライナ戦争の帰結がどうなるか、今の時点では不明ですが、ウクライナが負ければ、ウクライナで大粛正が起こる可能性が高いというのは、ロシア通の普通の見通しです。
そして、クルミア侵攻を防げなかった事が今回の事象を招いたように、ウクライナ侵攻を防ぐことが出来なければ、中共の台湾侵攻を招き、やがては第三次世界大戦に進みます。

ですから、この戦争はウクライナに取っても、世界に取っても、絶対に負けられない戦いでもあります。

ただし、結果がどうなるかに係わらず、お花畑幻想は消えます。

「国連の安保理が平和を守る、グローバリゼーションが進展していく、核廃絶を進める必要がある、話し合いで平和は保たれる」、もちろんこれらは始めからあり得ない事柄でした。
幻想を抱きたい人々、あるいは幻想を浸透させることが自らの利益になる人々によって、喧伝されていただけのものです。

独裁国家が二カ国も入っている安保理が平和を守るなど、幻想以前に何かの冗談です。
もちろん国連は平和の組織でも何でもありません。覇権のために利用するだけの器です。始めから行き詰まる事は分かっていたことなのです。

グローバリゼーションの欺瞞

グローバリゼーションは、圧倒的に強い経済国家が覇権を成すためのうたい文句です。
そのためにその強国は、擬似的に平和を作りだし、まるで警察のような平和維持活動をします。

アメリカが世界の警察の役割を担えなくなってきたなどという言い方がありますが、始めから警察でも何でもありません。

圧倒的な経済力があるので、グローバリゼーションが自国に有利、そのためには平和が必要、だから、平和維持活動をする、只これだけの論理です。
これはイギリスが圧倒的な強国であった時代の世界の枠組みと同じです。

アメリカが世界の警察の役割を担えなくなったのではなく、圧倒的に経済が強い国でなくなったので、維持する必要性がなくなったという事に過ぎません。

それは、もちろん、中国の台頭です。
中国は、アメリカが作ったグローバリゼーションと平和の中で、国内産業の補助金漬けで、自由貿易破りをして台頭してきました。
このまま維持しても中国を利するだけのグローバリゼーションと、平和維持ですから、アメリカには当然のことですね。

ブロック経済

世界はブロック経済化していくでしょう。
経済制裁が続いたロシアは、中国経済に依存するように成っていくことと思われます。これはウクライナ戦争とそれに端を発した経済制裁の行く末の如何に関わらずです。

と言いますか、ブロック経済は普通の経済です。
世界はブロック経済の時代が圧倒的です。自由貿易は一時期に存在する幻想にすぎません。
経済学の「一物一価」が実は存在しない幻想であるように。

とは言え、紆余曲折があるでしょうね。

円安の時代へ

兼ねて書いた事があると思いますが、日本は歴史上類を見ない、異常な円高推移を経験してきました。プラザ合意により、人為的に円高の流れが作られました。
この揺り戻しが根底にはあります。

もちろん、これが重要な理由ではありません。
金利が低い、日本はまだ金利が上げられない、国債残高が多い(上げると利払いが大変)、金融緩和政策を止められない、などなど。
単純に言えば、米国を始め、各国が金利を上げだしているが、日本は景気が悪く、金利が上げられない事に集約するかも知れませんね。

一つの例を挙げれば、円が余って借り手がなく、金利が安い円を借りて、円売りドル買いをして、ドルで運用するだけで金利差が稼げますよね。
またこの行為そのものが円安を推し進めますので、円に戻した時に為替差益も得られます。

特にインフレ傾向になって来た時に、インフレ率を超える金利に上げられないというのは円安を進めますね。

トヨタ自動車などの一部の企業を除いて、円安はあまり好ましい事ではありません。
多くの生産企業の工場は海外に移転してしまっていますので、価格上昇がなければ、日本の国内資産の価値の低下をもたらします。
この事自体が円売りになってしまいます。

何度も揺り戻しがあると思いますが、傾向としては暫く円安に進むと今の所、思っています。

しかしながら、悪い円安論も蔓延していますが、そのあたりはケースバイケースで、私はまだ推移を見ていれば良いかなと思っています。

インフレへの回帰

そして、円はあらゆる物に対して、下落します。(「新型コロナ後の動乱世界を見据えて」の「バブルと止まらないインフレも」項目も参照してください。)

インフレは既に始まっています。
携帯料金の値下げがありましたので、指数に現れていませんが、今年の4月以降には消費者物価の携帯メッキが剥がれます。
すでに2月の卸売物価は、9%以上の上昇を示しています。

そして、ウクライナ戦争に端を発した原油などの上昇の影響はこれからです。小麦などの食料品も上がるでしょう。

原油は元々値上がり傾向にありました。
再生可能エネルギーをうたい文句に太陽光、風力への転換圧力があり、世界的に原油生産拡大への投資が縮小していました所に、ウクライナ戦争が起こり、原油は長らく下がりそうにありません。

また、他の資源などもコモディティの価格のサイクル(コモディティー・スーパーサイクル)的に上昇し始めるころ(2020年が底)でしたので、後押ししてしまった感じです。

資源高並びに、円安も追い風にして、インフレは進みます。

価格に転嫁できるブランド力の強い企業から値上げを始めます。(すでに始まっていますが、まだ序の口です)
日本の消費者は値上げに抵抗する気質が強いので、立場の弱い企業は価格に転嫁できなくて始めは赤字経営を続けることになるかも知れませんね。

株価は色々な事象で乱高下するでしょう。しかし、円は価値を下げていきます。

後生大事に貯金をしている人は、おそらくこれから地獄を見ることでしょう。
物が上がると言う事は、通貨(円)が下がっていくと言う事です。

くれぐれも、物価が上がるので、さらに貯金を頑張るというような愚を犯さないでください。茹で蛙のようになります。