cashless社会

来たるべきキャッシュレス社会を第4次産業革命社会の到来の観点から解説致します。

クレジットカードや非接触カード、あるいはお財布携帯でキャッシュレス決済は出来ますが、キャッシュレス社会を作り出すことは出来ません。
特定の方式での認証システムにぶら下がる符号でしかない旧世代のキャッシュレス方式だからですね。

以前に少しだけ、なぜ今、QRコード決済なのかと言うことに言及しましたが、改めてこの次世代の決済システムについて、その意味を説明したいと思います。

プログラム化は、必然の流れ

未来を見据える事は、大昔であれば難しいことでした。
しかし、現代社会では大まかな可能性と知見が定まって来ました。必ずしも想定外のとんでもない技術革命が起こるわけではありません。

大きな変革をもたらす、いくつもの突破しなければならない課題は明らかになっていますし、魔法で無ければ実現できないことと、突破出来そうな壁の違いは誰の目にも明らかです。
物事の進化や変相と言うものは、いつでも歴史上の同じような道程を踏みます。
ですから、その多くの事例や目標がある現代は、天才で無くとも近未来を見通すことは、それほど難しくはありません。

通信で起こったこと

モールス信号から始まった通信の世界は、技術的には非常に複雑でコストの掛かる分野でした。
何百kmや何千km、あるいは何万kmの距離をノイズとの戦いを制して、なるべく高品質で正確に通信するためには、多くの非常に込み入った技術とお金が必要でした。
伝送線は品質を一定にし、何重にもシールドを施し、出力低下をしたら増幅し、ノイズを除去し、高価な交換機によって通信先を制御しました。
しかし、その実、実体は、進化するほどに自らの重量で瓦解してしまう、巨大な楼閣のようになっていました。

やがて、折しも第3次産業革命のさなかの1981年、インテリジェンスのあるものが存在しているのなら、面倒なことはすべて彼ら(コンピュータ)に任せれば良いのでは?、と言うことに気付いた人々がいました。
そして、1982年に手法が標準化されました。

つまり、とにかく何も考えずに繋いでしまおう。そして、何も考えずにデジタル化してデーターとして送り出そう。後は彼らに全面的に任せようということです。
データーはパケットと言う小包状態で、とにかく送り出されます。それぞれ通れる回線を通ります。地球全体のバケツリレーです。
目的地に着くまで、経由するサーバーで、そちらであろう方向へ送り出されます。後は次のサーバーが何とかしてくれるだろうと。

様々なサーバーが協力し、データーは目的地に様々なルートでバラバラに届きますので、順番に並べ替えます。
その時にパリティチェックもします。
チェックの結果、データー化けや紛失したパケットがあれば、そのパケットだけ再送信を要求します。
正しいパケットが届くまで何度も繰り返されますので、気にせずに任せておくだけです。

それらが瞬時に行われ、例え地球の裏側であろうとサーバー群の連携で、誰もが安価に通信が出来るようになりました。
そして、あり得ない事に、音でも映像でも、テキストでも何でも流せます。
どのような品質の回線でも、一筆書きのようにどこかで繋がってさえいれば良いのです。と言いますか、地球上、どこかで繋がっているものです。※現在では、大容量の専用基幹回線も多数用意されています。

これがインターネットです。
支えているのは通信回線ではなく、インテリジェンスを持ったサーバー群です。プログラムです。

インテリジェンスと言うものは

技術の分野では、機械で出来たことは、電気で出来るようにしろと言われていました。そして、電気で出来たことは、継ぎにプログラムでするようになりました。
そろばんや機械式の計算機が進化して、電気で動く(リレー)計算機が出来ました。
そして、CPUが発明され、プログラムで計算する計算機が出来、やがてコンピュータになっていきました。

インテリジェンスのないものは、1つのことしか出来ません。インテリジェンスのあるものは、その都度、いくつもの事が出来ます。
そして、設備を選びません。
通信で言えば、有線でも無線でもどんな品質のものでも、直接繋がっていなくても、どこかで繋がっていれば、サーバーが考えて通信が出来ます。
さらに映像でもなんでも扱えます。

  1. 考えられる事なら、どのようなことでも出来る(発展性)
  2. 手段や設備を選ばない(あるものを使う)
  3. 任せることが出来る(コストが掛からない)

つまり、大切なことも、実現したことも、以上のことです。

キャッシュレス決済でも同じです。
相手側もこちら側も、インテリジェンスを持てば、今まで出来なかった様々なことが、低コストで出来るようになります。

プログラム決済である意味

QRコード決済というのは、QRコードの決済ではありません。あくまでプログラム決済です。インテリジェンスを持っているものです。

レジにバーコード読込機能があれば、バーコードを使って端末の認証をし、あるいは専用のバーコード読み取り装置を使い、何も無ければQRコードという便利なものがあるので、スキャンして端末側で逆に店舗の方を認証して使っています。
つまりインテリジェンスがあるので、端末側でQRコードを読み取り、サーバーに通信動作をして、能動的にも決済が出来るのです。
※ちなみにQRコードは日本(デンソー)の発明です。特許権が放棄されていますので、自由に使えます。(蛇足ですが、本家デンソーのQR読み取りアプリにはいつもお世話になっています。)

つまり、プログラム決済は、手段や設備を選ばないのです。そして、こちら側から、行動を起こすことも出来ます。
ですから、設備がないし置けない、フリーマーケットでも、屋台でも、個人間でも決済が出来ます。
一般商店でもスキャン方式なら、設備投資がまったく要らないわけです。
インターネットショップでは、通信で認証し、通信で決済をします。
個人間の振込もネット上のお互いの認証だけでも完結しますが、QRコードを介して認証をすることも出来ます。

相互連携は当然に

コカコーラの自販機では、PayPayやLINEpayはコカコーラのアプリと連帯して決済します。つまり、他のアプリとも相互に連携が取れるわけです。
この例では、コカコーラのアプリで購入した瞬間にお互いに通信され、PayPayなどから決済しましたと通知されます。
まだまだ稚拙なシステムですが、お互いにインテリジェンスを持つとは、こういうことを言います。

現在ではただ通信を受け取って支払うだけですが、決済プログラムが介在する訳ですから、将来的にはAIを持ち、妥当性を判断することも出来ます。
通信の世界がインテリジェンスを持ち、お互いに協力して、インターネットを形作っていることと同じです。
別にそのアプリにクレジットカードなどを登録しておいても同じ事でしょう、と思われるかも知れませんが、違います。

第4次産業革命では、IoTとAIが様々な所に入ってきます。
請求業務にも関わってくるでしょう。缶コーヒー程度ならいざ知らず、複雑な集計の請求など、AIの言うことをあなたは全面的に信じられますか。
おそらく不安になることでしょう。しかし、自分で照合することは、込み入った事柄であればあるほど、繁雑になります。

では、どうすれば人間は納得できますでしょうか。
つまり、こちら側のAIに妥当性を判断させる事が必要になってきます。あなた自身の個別決済システムに照合させるわけです。
スマホなどのアプリにそのようなことが出来るのかと思われるのかも知れません。
しかし、5Gの世界では、端末側にすべての機能を持たせる必要はありません。非常に高度なクラウド上のAIシステムをどこにいても扱えるようになるのですから。

つまり、他のキャッシュレス決済はこちらの接点がカード等であり、単にその方式の証明書に過ぎなかった事に対して、端末側がインテリジェンスを持つ決済システムとして、私たちに提供されている、初めてのものがQRコード決済になります。
今までのクレジットカードや非接触カードとの絶対的な違いが分かりますでしょうか。

囲い込みの本気度

現在、QRコード決済各社は、100億円あげちゃうキャンペーン等を何度も繰り返し、言わばお金をばらまきながら、ユーザーの囲い込みをしています。
(執筆時現在でも、PayPayモールで100億円あげちゃう20%戻ってくるキャンペーン等々をしています。)
クレジットカードでも、非接触カードでも、ここまでの大がかりな事を繰り返して、ユーザーに訴求したことはありません。

なぜ、ここまでするのか?
その問いに対しては、QRコード決済は将来の発展性が巨大で、これを制するものは、キャッスレス社会を制するかも知れないからだ、と答えることが出来ます。

例えば、PayPay。
ソフトバンクとヤフーの合弁のPayPayは、10月末時点で、1900万人、154万店舗を集めて、ぶっちぎりで抜け出てきました。
三年間(以上)決済手数料無料、決済代金は翌日振り込み(ジャパンネット銀行の場合は即日)、更に全国に営業拠点を作って、営業マンが店舗の総ざらえしています。

PayPay株式会社の初年度決算は、400億円の赤字です。しかし、ソフトバンクとヤフーはまだまだ資金を投入しています。
元々、決済会社を作るつもりも、決済手数料で儲けるつもりもないと言っています。
この次世代決済は、メガバンク構想、総合金融、スーパーアプリを目指していると表明されていますが、これらは他社も概ね同じでしょう。

キャッシュレス社会にまず必要なこと

例えば、割り勘やタクシー等の相乗りなどをして、キャッシュレスで支払います。
しかし、仲間内で現金で精算をしなければならなかったとしたら、キャッシュレス決済は出来ても、キャッシュレス社会にはなりません。

また、街中での募金や子供へのお小遣いも、能動的に自分が決めた金額での個人間も含めた決済をすることが出来なければ、キャッシュレス社会は作れません。
非常にコストの掛かる(1台数百万円、維持費は月に30万円で、日本全体で毎月ほぼ90億円の経費損失の)ATMを街の中から完全に無くすことも出来ません。

掌の中の金融端末へ

各社でまだ実現していない機能などもありますので、主要なQRコード決済のPayPayの例でお話しします。
入金は、各銀行引き落とし、ヤフーカード、セブンイレブンのATM、ソフトバンク、Y!mobile纏めて支払い、ギフトカード、ヤフーオークションなどの決済入金、個人からの振込入金。
出金(支払い)は、チャージした残高支払い、ソフトバンク、Y!mobile支払い、各クレジットカード支払いなどに対応しています。
チャージして決済することも、クレジットカードに紐付けて決済することも出来ますし、決済の度に、切り換える事も出来ます。

もちろん、バーコード支払いでも、QRコードスキャン支払いでも、通信だけでの認証支払いでも出来ますし、今後もしかしたら実装されるどんな方式でも認証させることが出来ます。
これがプログラム(インテリジェンスのある)ということです。

一部の電力会社などの料金の支払いも出来ますし、個人への振込、個人からの入金も、銀行への入出金も出来ます。
他人からの入金も出来ると言う事は、会社からの入金ももちろん出来ます。つまり、給料の振込も行おうと思えば出来ます。

最初にお話ししたように、クレジットカードや非接触カード、プリペイドカードでは、キャッシュレス決済は出来ても、キャッシュレス社会を作り出すことは、永遠に出来ないのです。

今までの説明で、まるでPayPay自体が銀行みたいだな、と思われたことでしょう。
プログラム決済は、銀行の代わりになります。いえ、銀行の機能の大部分を不要としてしまうのかも知れません。
ATMや現金を周りから追い出すキャッシュレス社会の実現には、個人が銀行に近いものを手にする必要がありますし、それは総合金融システムに育って行く可能性すらあります。

そのため、大手主要銀行は、共同でbank payを作ろうとしています。
メガバンクや地方銀行などを含めて、1,000行以上が参加する大掛かりなプロジェクトになる予定ということですが、銀行もQRコード決済に本気になって来たと言う事です。
だいぶ行動が遅いですが、先行する各社、あるいはPayPayに対して、どのような追撃が出来るか、注力してみたいと思います。

各社がお金をばらまきながらも、なぜ利用者の囲い込みを必死に行っているのか、その意味が、分かると思います。

来たるべき社会

第四次産業革命は、AIとIoTとロボットが作ると言われています。
それらに必要なものは、5Gなどの次世代通信網です。そして、プログラム決済手段が必要です。

自動運転タクシーでのこと

IoTでAIでロボットと言えば、自動運転車が代表的なものだと思われます。
自動車はインターネットに繋がり、AIが判断し、ロボット走行をします。

例えば、配車AIは、利用者動向に基づき、自動運転車を配置、走行させます。
おそらく呼べばすぐに来ます。
このような自動運転タクシーに、居酒屋などで飲んでいた人は、ひとりで乗るのは合理的ではありません。仲間内で相乗りをすることでしょう。

行き先を告げれば、AIが道順と道路混雑状況などを判断して、ルートを決めます。
次々に目的地に着き、降りて行きます。
どうしても一緒に乗っていることが合理的でない人には、AIが判断し、途中で別の自動運転車と合流し、乗り換え分岐をして貰います。

さて、キャッシュレス決済手段はどうしましょう。
一連の乗車が終わった後、おのおのの乗車やおのおのにとって必要になった迂回に応じて、各プログラム決済手段に合理的な精算を提案します。
もちろん、案ですから、各個人のプログラム決済システムが妥当性を精査して決済されます。

AIとIoTとロボットが作る第四次産業革命も、細部を突き詰めていけば、日常に突き当たります。
未来を勘案することは、日々の具体例を考える事に他なりません。

居酒屋では

さて、この仲間内で自動運転車のタクシーに乗った方々の居酒屋での風景はどうだったのでしょう。

現在、例えばPayPay等では割り勘の機能が提供されています。
仲間内で割り勘で支払う機能ですが、割り勘というのは理不尽な風習です。

大食らいの大酒飲みの方も、小食でお酒が飲めない方でも、同じ料金を払うわけです。
銘々勘定と言って、それぞれが注文したものだけを払うと言うやり方もあるようですが、非常に繁雑です。
それに、取りあえずジョッキ5杯と誰かが頼んでも、その人だけが飲むわけではありませんし、人の頼んだ物を食べる方もいます。
セコいことをいうな、と言わないでくださいね。例えばの説明のためですから。これは様々なシェアにも言えます。

IoTやAIやロボットの第四次産業革命では、それぞれが注文し、AIが判断をして、最後まで居る方にも途中で帰った方にも、シェアした銘々の料金を最終的に算出します。
スマホ等の決済プログラムに全体の集計、おのおのの合理的な料金請求や明細が通知されます。
各個人のプログラム決済システムが妥当性を照合して、問題が無ければ決済をするという流れになります。
基本的に面倒な幹事は必要が無いわけです。良かったですね。

いくつかの例えばの例を挙げましたが、これらは新しい社会の決済のすべてに言えます。

街のすべてで

アメリカでは、「Amazon GO」が実験的に展開されていますが、店舗に入って勝手に持っていけば、決済されます。
(もちろん、現在ではまだ入るときに認証を受けて、クレジットカードなどの決済方法を提示しておきます。)

来たるべき世界は、街中がリニアな「Amazon GO」の世界です。物だけではありません。

車は街のあちらこちらにある駐車場を勝手に使い、勝手に出て行きます。
やがて、決済システムに曜日や時間帯を考慮した請求が通知されます。
AIが活躍する時代では、結果的に空きエリアが多かった事や、同系列の他の駐車場の利用歴で割引きされるような、または人では出来なかった複雑な精査が可能になり、全く別な緻密な(合理的な)料金体系が生まれると思われます。
決済システムは、体系に添って妥当性を照合します。駐車時間等に誤りが無ければ決済されます。

来たるべき、AIとIoTとロボット(と、1平方㎞に100万台の機器の接続が可能な5G)の世界は、AIが神の目や神の耳を持つ世界です。
例えばコンサート会場では、アイドルグループの中のお気に入りの子だけを追った映像を手元のスマホで見ることも出来ます。それはゴーグル型のウェアラブル端末かも知れません。
野球などのスポーツでは、バッターボックスのすぐ後ろに自分が立った映像を見ることも出来ます。
打った瞬間に玉が飛んでくる場所に立つことも出来ます。

有料、無料オプション、それぞれでしょうが、本日入場した人が使うか分からない、その他にも数多い事象の定期契約サービスを申しこんでいるわけではありません。
単発的な時間の有料オプションを購入するのに、果たして相手の言いなりになるクレジットカードの番号を何度も必死になって打ち込むのでしょうか。

未来は現在に影を落とす

自立的に通信できるプログラム決済は、あらゆる面に応じて、来たるべき社会に必要なものです。
送り側も受け手側もインテリジェンスを持ったからこそ、インターネットが実現し、従来の通信に置き換わりました。
こちらと相手側が相互に介在するキャッシュレス決済行為も通信と同じなのです。

今は天才で無くとも、近未来を見通すことはそれほど難しくはありませんと書きました。
すべては、想定される未来の必然であって、現代にある未来の息吹、これが未来から現代に影が差すということです。

QRコード決済各社が今後どのように発展し、どのようになるかは分かりませんが、プログラム決済は来たるべき社会に必然なものです。
来たるべき社会では、決済はキャッシュッレスで、そして、プログラム(AI)で行うものであり、それ以外はありえません。
その芽生えが既に始まっているということです。

未来を見据えるためには、これら様々なことについて、充分に留意する事が大切になります。

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