ライザップグループの構造改革

久しぶりにRIZAPグループの話題です。

先日の決算、及び決算説明会で、RIZAPグループの構造改革の方針が示され、M&Aの一時停止、子会社の選択集中、子会社資産の見直しに寄る評価替えなどでの赤字転落の報告がありました。
M&Aの停止の影響が大きく、負ののれん代の利益計上がなくなり、立て直されていない1年以内のM&A子会社の赤字の計上、及び資産の評価替えが重くのしかかった決算です。

営業赤字と言う事で、事業が駄目になったと、不安になっている方も見えると思いますが、国際会計基準ではすべてが営業収支となりますので、日本基準であれば、営業は黒字、経常利益で赤字という事で、営業外損失を大きく出して、構造改革に踏み込んだと言う事です。
赤字になったということではなく、赤字を出しながらも構造改革に踏み切ったと言う事になります。

いきなりブレーキを踏むのではなく、もうすこしやり方があったのでは無いかという気もします。
しかし、買収した赤字子会社の立て直しを行っている最中、M&Aで赤字子会社をさらに入れられては困るという、松本氏の意向が根強く反映されたようです。

ハードランディングを志向したと言う事は、早期に決着を付けたいということでしょう。
常々の松本氏の発言では、RIZAPグループを大きく成長(1兆円企業、10兆円企業へも:本人インタビュー談)でしたから、急成長に伴うリスク要因(赤字子会社群)の処理を急ぎたいと言う事だったと、思われます。
営業利益や、負ののれんの範囲内で、特損などの処理も十分出来ますので、徐々に行っていけば、減益で済んだ話ですが、それでは何年もかかってしまいます。

瀬戸社長と、松本代表取締役(構造改革担当)との意見は、一致していると言う事ですが、やはり彼らの言動を考えると、両者ともまどろっこしいのは嫌いという感じがします。

また、この機に、自己投資産業とは言えない事業、シナジーが効かない事業の処理をするということです。

SDエンターテインメントは、映画館等のアミューズメント事業を切り離し、売却すると言う事ですが、五輪パッキン等も売却になるのではないかと思っています。

構造的な不況事業も売却等の方針が示されていますので、順調に進めば、後期単独では黒字(通期で赤字が残る状態)という、会社側の資料通りになるのではないでしょうか。
評価損ではワンダーコーポレーションの損失が大きいのですが、売れ行きの悪いCD等を1円で評価替えをしているようですが、捨て値で売却したとしても1円以上になると思われますし、売れる可能性も少しはあるでしょう。
この例で考えても、かなり厳密な在庫の評価替えを行っての膿みだしで、筋肉質な組織を作っているようですので、想定以上に、黒字化は早いと思っています。

松本氏の瀬戸社長やRIZAPグループに対する思い入れは大きいようで、早めにリスク要因を消したいということだと思われます。こののち、成長軌道に復帰することでしょう。

RIZAPグループに関しては、もう閾値を超えている会社ですので、サイト記事では言及はしない(フォーラム除く)方針でしたが、心配されている方もいらっしゃるかと思い、取り急ぎ述べてみました。

決算説明会動画

説明会後