イーサポートリンク(2493)は当サイトの予てよりの注目銘柄です。
生鮮食品等の取引システムを開発、運営しています。

株式分割がありましたので、掲載時600円相当が、3500円以上あっての、1500円台です。現在のイーサポートリンクの株価

株主優待

株主優待は、5月末、11月末の年二回です。

5月末株主

  • 100株以上 :青森県産100%りんごジュース 1リットル×3本
  • 200株以上 :青森県産100%りんごジュース 1リットル×6本
  • 500株以上 :青森県産100%りんごジュース 1リットル×12本

11月末株主

  • 100株以上 :青森県産りんご 1.8kg
  • 200株以上 :青森県産りんご 3kg
  • 500株以上 :青森県産りんご 5kg

※優待制度の変更がありました。
年1回(5月末の株主)100株以上リンゴジュース3本へ。2017年1月14日追記。

需給の要因

さて、株価は、2年にわたって、じり下げ状態が続いていました。
これはフォーマインドが株式を市場で売っていたことも大きな理由です。四季報に寄ると、所有167万株37.8%から、85万株ほど、発行株式数に占める割合の19.3%を売ったわけです。それに伴って浮動株は25.7%から58.4%に上昇し、株主数も6500名ほど増えています。計算すると1単位株主が増えており、ほぼ優待需要に吸収されたものと思われます。(最新の大量所有報告書では、保有割合11.78%まで低下しています。)

フォーマインド(旧社名フレッシュMDホールディングス)は、イーサポートリンクの社長の実兄がオーナーの非上場会社です。

イーサポートリンクは、2年前の四季報に東証二部への準備中と何度か書かれていましたが、その後は話題もなく、止まっていました。
この売却は、上場審査によって指摘された、又は求められた、あるいはその準備の一貫であったと思われます。
上場審査は、形式審査と実質審査に分かれますが、実質審査は公開された数値要件を持ちません。

実質審査は、各市場によって多少の違いがあります。
東証一部、二部に於いては、以下のことが審査内容になります。

  • 企業の継続性及び収益性
  • 企業経営の健全性
  • 企業のコーポレート・ガバナンスと内部管理体制の有効性
  • 企業内容等の開示の適正性
  • その他公益又は投資者保護の観点

これに対して、イーサーポートリンクが上場している、JASDAQのスタンダート区分の実質審査は以下の項目です。

  • 企業の存続性
  • 健全な企業統治及び有効な内部管理体制の確立
  • 企業行動の信頼性
  • 企業内容等の開示の適正性
  • その他公益又は投資者保護の観点から必要と認める事項

ちなみにJASDAQのグロース区分は以下です。

  • 企業の成長可能性
  • 成長の段階に応じた健全な企業統治及び有効な内部管理体制の確立

お分かりだと思いますが、指定替えしようとしている本則市場では、企業経営の健全性などが問われます。
ここでよく問題になるのは、公私混同がないかどうかであり、今回の場合、肉親がオーナーの非上場会社が37.8%の株式を持って実質的に支配していることが問題となったものと思われます。(同じく注目銘柄で東証準備を進めているRIZAPグループも配偶者を取締役から外しました)

ですから、大量の株式が売られ、下落を続けたと思われます。
ただし、今後はもう売却がないかまでは分かりません。
実質審査には数値がない、あるいは公開されないため、東証がどこまで比率を落とすことを求めているのかが不明なためです。
しかし、現状、関連会社では無くなりましたので、売却が終息しつつあるか、ほぼ終息しているのではないでしょうか。
(現在の11.78%から、10%を切るまで売却を続けるのかも知れません。それでもあと僅かです。)

以上、需給の要因です。

イーサポートリンクシステムVer.2の稼働

予てより、開発中で遅れに遅れていた、新システムがやっと本稼働したと、今回の平成28年11月期の第3四半期決算短信で発表されました。

今期決算は、旧システムと、新システムの保守、運営経費(固定費)が重複して生じますので、減益になっています。(顧客ごとに順次切り替えていますので、両方のシステムを運用する必要があり、サーバーも二重に必要です。)

しかし、今後は、新システムのみの運用になり、しかも、新システムはクラウド化していると言う事ですので、稼働経費が安くなりますし、能力が向上します。
※クラウド化の場合は、現在の必要とされる能力に応じて動的に対応が取れます。
つまり、一時的な負荷の増大や近い将来の準備のため、過大なシステムを用意して、経費の増大を招くことはなくなります。

ですから、システムを使用する顧客を能力を考えずに収納できるとも言えます。要は、営業さえ上手くいけば、いくらでも利用者を増やすことが出来るということです。

このような装置産業は、固定経費が回収できた後は、ほぼ利益になりますので、高い利益率が保証されますが、今まではその良さが現れていませんでした。
生鮮食品のシステム取引は、その呼応に時間的な、あるいは日柄的な波があり、混雑時間に合わせて能力を維持する必要があり、無駄になっていた部分が多大にあったものと思われます。
(生鮮食品は在庫を持てないため、発注は売れ行きを見極め、短い時間に集中するため)
また、新システムの開発には10億円以上費やしながら、旧システムの破棄に供えて、原価償却費を計上していました。

クラウド化の開発と合わせて、営業体制を強化していましたが、この営業がどれほど上手くいくかにも寄りますが、システム能力を気にせずに営業ができると言うことだけでも、実は大きな変化です。
長い目で見れば、生鮮食品の取引もFAXと電話、あるいはメールでというのは古くさいことになると思いますが、 その受け皿になる準備が出来たと言う事です。

当サイトの見解

先の高値の後、株価の下降傾向が止まりませんでしたが、需給を妨げていた要因が無くなったか、無くなりつつあります。
新システムも稼働して、経費も安くなり、装置産業ならではの利益構造になってくると思われます。

おそらく直ぐに急騰と言うようなことはないものと思われますが、来期にかけての収益の拡大期待、需給の改善により、今後は過去数年の相場とは違った推移になってくるものと考えています。

間近に迫った11月末の優待権利落ちが長期的に見た場合の安い買い場のチャンスの1つになるのかも知れません。