株価の形成と成長

株価は上がったり、下がったりします。常に揺れ動き、定まるところを知りません。
しかし、成長株は上下しながらも、長い上昇トレンドを作って行きます。

株価の形成

株価と言うものは、会社の値段です。
株価に発行株数を掛けたものが、時価総額で会社の価格になります。逆に言えば、時価総額から、株価が導き出されます。

しかし、現在の株価は会社の正しい値段とは言えません。
なぜなら、現在の会社の評価は常に未来から見て、すべからず間違っているからです。しかし、その未来の姿もさらに先にある未来から見て間違っています。株価の動きは、大きな間違いから、それなりの間違いへ是正される動きだとも言えます。

つまり、正しい株価と言うものはありません。
今、市場で付いている値段が正しいと言う言い方がありますが、それは刹那の過去に取引が成立した履歴に過ぎません。
次の一瞬に別の値段が付きますので、正しくなかったわけです。

株価はいつも間違っていて、定まるところがないから動くのです。いえ、正しくないと思われているからこそ、揺れ動くのです。
ですから、株式取引と言うものは、現在、市場で付いている価格に異議を申し立てることでもあります。
もっと安いはずだと思う方は売り、高いはずだと思う方は買います。

それらが思惑になりますが、少なくとも今現在の会社の価値と株価には、ほとんど関連性がない事だけは確かです。
未来に想定される会社の実体、つまり内包される価値、あるいは虚像に対して、株価が形成されていきます。少なくとも成長株では、それが顕著になります。

前提が不確かな多くの迷信

考えられる未来の価値から株価が形成されますので、一株あたりの利益の何倍になっているかの指標のPERや資産価値のPBRなどは、株価の評価として、ほぼ使えない指標です。
将来性がないと判断されれば、PER5でも割高です。成長性が高ければPER50でも割安になります。

PERなどは市場全体の動向やセクション全体の動向を推し量る指標で、PERの絶対値をもって個別株を判断する指標ではありません。
ただし、PERの上昇は、マルチプル・エクスパンションと言い、人気や成長性が高まっていると判断されます。逆にPERの下降は人気や期待が下がって行っていることを表し、マルチプル・コントラクションと言います。
PERは割安割高の指標ではなく、人気度の指標と考えられます。

買う人が多いから上がる訳ではない

このように、株式市場の世界には、不確かな事柄、間違った常識、嘘、出鱈目が渦巻いています。
これによって、人は間違った行動や思考をしてしまいがちです。

その1つに、株価と言うものは、買う人が売る人より多ければ上がり、売る人が買う人より多ければ下がると言う嘘、あるいは迷信があります。
ほとんどの人がこの出鱈目さに気付かず、このような事を平気で言っています。

ストップ安やストップ高のように比例配分されるならともかく、取引は売買の相手がいてこそ可能です。
つまり、取引に寄る価格形成には、買った人も、売った人も、常に同数が存在している、あるいは存在していたと言う事なのです。

では、価格が上がると言う事と、下がると言う事は、どのようなことなのでしょう。

切実さが作る株価

株式市場に置ける取引成立というのは、板にぶつける注文があってこそ可能になります。
つまり、株価の上昇と言うのは、買う人が多かったのではなく、成り行き注文や板にぶつける指値注文で、買い注文をした人が多かったと言うことになります。始めて注文が出会う寄付でも、高くても構わないと言う注文が多かったと言う事なのです。
株価の下降はその逆になります。

要するに、株価が上がる理由は、買う人が多いのではなく、買う人の方が売る人より切実、あるいは急いでいたと言うことです。
逆に株価が下がる理由は、売る人の方が買う人より、切実だったと言う事です。

寄り付いた後、陽線になるか、陰線になるかを決めるのは、より切実だったのが、買い手であったか、売り手であったかと言うことになります。ですから、陽線なのか、陰線なのかが重要になるのです。

同様に、出来高に注目するという考え方も、間違いだと分かります。
これも相場をさせる側から伝播された嘘です。人気を煽って盛んな売買をさせるこじつけに過ぎません。

先ほど申しましたように、出来高が多いと言う事は、買った人が多かったとも言えますが、それだけ売った人も多かったと言う事です。
出来高が少ないのは、買った人が少なかったと言うことでもありますが、売った人も少なかったと言う事です。

出来高が縮小するのは、人気が離散したとは言えません。
むしろ上昇をしていく先高感のある株式は、売る人も減っていき、出来高を縮小しながら、高株価を形成して行くことも多いのです。出来高が減少して下がっても強さを内包している状態とも言えます。
売る人が少ない銘柄は、早耳筋の徐々の買いで、出来高を伴わず、静かに確実に上がって行きます。

株価の天井で出来高が多くなり、株価の底で出来高が多くなっているように見えるときもあります。
それは結果論であって、あとで見て、そう見える場面があったにしか過ぎません。さらに上昇してさらに出来高を増やしたりすること、あるいは減らしながら上昇もあり、少なくとも判断に使える物ではありません。
すべて、ケースバイケースなのです。

ですから、株価と出来高には、ほぼ相関はありません。この事は米国在住の相場師、板垣浩氏を始め、何人もの相場師が指摘していますが、少なくとも売買の判断にはあまり使えません。
出来高を考慮しないテクニカル指標がほとんどであることを見ても、容易に分かると思いますが、いまだに市場内に頑迷に浸透している迷信の1つです。
特に成長株の長期投資をされる方には、まったく意味がありません。
もちろん、株価と相関がないと言う事であって、価格帯別出来高などは、抵抗を推し量る参考にはなります。

同様に信用取引残なども、ケースバイケースです。

このように手数料商売の証券会社や投資顧問や評論家など、相場をさせる側の常識は、まず疑って掛かる必要があります。

株価を決めるもの

株価は市場で決まります。より切実だった需給の方向へ動いていきます。

この投資家の行動を決めるは、業績であったり、思惑であったり、事件であったりします。
しかし、本当に株価を決めるのは、業績などを受け止める人の心です。つまり感情です。

人の行動や物の売買は、感情が決めます。
安かったと言う事実が買いたいと言う感情を呼び寄せるのか、安かったからと言うことを言い訳に使うのかは別にして、買いたいと言う感情で、人は買います。
これは車でも洋服でも食品でも同じですし、感情を刺激するのは物を売る基礎です。

もちろん、株式市場でも同じです。
株価は森羅万象を織り込んで動きます。しかし、森羅万象を織り込んで本当に動くのは、人の感情です。
そして、最も強い感情は、欲と恐怖です。
暴騰と暴落を示しているチャートは、この欲と恐怖が形作っていると言っても過言ではありません。

株価を観測すると言う事は、市場に渦巻く感情を観測すると言う事でもあります。

自己責任の力の項で、「冷静であるか、それが優秀な投資家と、愚鈍な投資家を別ける決定的な違いです」と書きました。
このようにマインドが大切と言うのは、良く言われることです。
しかし、どのようにして、投資マインドを身につければ良いのでしょうか。

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実は、人が感情をコントロールすることは、ある程度は出来ますが、根本的には出来ないのです。
中でも少数の、かなりコントロール出来る方は、取引に於いても普通にほぼ冷静です。
しかし、なかなかコントロール出来ない多くの方は、マインドを制しようとするより、投資スタイルを変えたほうが効率的です。

一代で10億ドル以上を稼いだ富豪の調査をまとめた書籍の、10億ドルを自力で稼いだ人は何を考え、どう行動し、誰と仕事をしているのかの中に、投資にも重要な事柄がいくつも述べられています。
例えば「現在の金銭的損失よりも将来の機会損失を恐れる」、「最速で動き、ゆっくりと待つ」などです。

多くの人は、リスクを恐れるあまり、踏みとどまり、あるいは利確を急ぎ、損切りを急ぎ、将来の大きな収益の機会損失をしてしまいがちです。つまり、最も大きいリスクは、儲ける可能性を失うことなのにです。
そして、なかなか決断が出来ず、行動に移すことが遅れますし、目先にとらわれてゆっくりと待つことが出来ません。

しかしながら、長期投資のスタイルを取っていると、自然と、「現在の金銭的損失よりも将来の(チャンスを逃す)機会損失を恐れる」ようになりますし、「ゆっくりと待つ」ことが出来る用になります。「最速で動く」事も優先度が下がります。

当サイトでお奨めしている、成長株の長期投資は理にかなったものであると、ここで申し添えておきます。

株価の成長

長期投資家は、長期に投資をする人ではありません。長期に投資すべき株式に投資をする人です。

長期投資は、成長株投資が前提です。もしくは確実性の高い再建を行っている会社の株式も同じです。つまり、継続的に変貌を遂げつつある株式となります。
こういう株式には多くの長期投資家が投資をしています。
ですから、長期投資に適する銘柄は、同じく長期投資家が株主に多い銘柄とも言える訳です。

このような銘柄は、トレンドも長く続きやすくなっています。
短期投資家(投機家)の買いが多い銘柄は、すぐに利食い売りが入り、深い押し目も作りやすく、トレンドも長く続かないことが多いのです。

株主の入れ替わりと会社の成長

投機家のおもちゃのようにされている会社の株式には、例え短期的であろうと、そのような投機家が部分的に株主になっています。
次々に株主が替わっても、又も同じような人々が株主になります。

駄目な会社の株主のある部分は、同様に駄目な投資家の人々です。
希望的観測や思いつきで業績の振るわない会社を買って、しかも長い間の株価の下落にも何の手も打てなかった人々です。
こういう所に成長性を見ている長期投資家はいません。
含み損を抱え、処分する決断も出来なかったので、ただ長期に持っている人々がいます。

こういう会社が変貌を遂げようとしてくると、いち早く気がついた長期投資家が買ってきます。
徐々に動意付き、変化に気がついた他の長期投資家やテクニカルを見て中短期投資をしている人が参加して来ます。
最初に持っていた株主は、人によっては売って株主が徐々に入れ替わります。

そのうち、株価の目に見える変化や何かのニュースで、超短期の投機家も含め、買いが集まり、大きく株価は動きます。
会社が変貌していく可能性が高まれば、多くの長期投資家も流入してきます。
その時点で、最初に株式を持っていた駄目な投資家は、やれやれと売って去って行きます。
希望的観測で買ったような凡庸な人々は、概ね本当の変貌に気付きません。

短期投資家が利食い、株価は下落して押し目を作ります。
しかし、確信した人々が買っていきますので、深い押し目は作らず、比較的短期間で再上昇します。
このようなことを何度も繰り返し、成長性が確信に近くなった会社の株式は、長期投資家の比率を徐々に高めます。

このように会社や株価の成長によって、投資家の層が変わって行きます。会社が変われば、株主も変わるのです。
こうして、成長株は長い安定した右肩上がりのトレンドを形成していきます。

ですから、成長株と言うのは、長く株価が成長しているトレンドからも容易に見つけることが出来ます。
もちろん、業績等の点検は要りますが、3年間か5年間のチャートを見て、概ね右肩上がりになっていれば、今後も長い上昇が続く事が推測できます。

そして、 そこにはあなたと同じような賢明な長期投資家が多くいます。機関投資家も長期投資主体のところが集まっています。
彼らは成長性が続く限り、むやみに売ってくることはありませんので、小さな下降はあっても、トレンドは長く続き、安心して投資が出来ます。

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