最近、日経平均が下げていますが、上昇トレンドはまだ変わっていない範囲です。では、今年のリスクを考えて見ましょう。
株式にはリスクがあります。しかし、すべての物にリスクはあります。リスクというのは危険を意味する言葉では無く、不確実性を意味する言葉です。リスクを取らない人は、いわば穀潰しと同じです。
先人はリスクをかかんなく取り、世の中を発展させてきました。進歩とはリスクを取った人々によってもたらされたものです。
自らはリスクを取らず、果実だけ得ようとするような人間は恥を知るべきです。そして、リスクを取らないことこそ、もっともリスキーなことです。現状維持のまま社会は死んでいきます。リスクは恐れる物では無く、コントロールする物です。
さて、それはともかく、現在の日本の株式限定でのリスクを考えてみましょう。
まず、始めに、消費税導入での経済の減速です。影響があることはわかりきっていますので、ある程度、織り込んでいるでしょうが、実際に悪いニュースなどが出れば市場は反応するでしょう。これが一番あり得るリスクです。ここでの鍵は、日銀の更なる追加の金融緩和措置があるかどうかです。経済指標と、黒田総裁の言動を見守ります。
次ぎに韓国経済の破綻です。ウォン高と資本不足でかなり厳しい状況になっています。しかし、おそらくこれは大丈夫でしょう。経済破綻が起こらないと言うことでなく、起こっても日本に影響はありません。むしろ韓国のウォン安を使った雪崩のような輸出に苦しめられた日本経済にとってよいことばかりです。ショックで一時的に株価が下げたら、買い向かって良いでしょう。
次ぎに中国経済の崩壊です。不動産バブルは弾けました。推定によると300兆円ほどの不良債権があります。普通では処理できないでしょう。この影響が表に出てきたら、普通では済みません。リーマンショックの何倍ものショックが世界を揺るがすでしょう。ただし、何かの手を打つとは思います。共産主義国ですし、ある意味独裁国家です。あり得ない行動をするかも知れません。ただし、その結果がどうなるか、誰にも分かりません。もっとも高いリスクは、中国経済の今後が読み切れないと言うことです。なるべく動静を探ります。
次ぎに、いくつかの国でデフォルト懸念があります。これも状況によって、厳しいことになります。しかし、いくつもの国の動向に注目するのは難しいでしょう。
基本的には、何も無ければ、円安トレンドが変わらなければ、株高のトレンドは変わらないでしょう。経団連のトップか、誰かが、円安で株が高くなることが理解出来ないと言っていましたが、もちろん株は高くなります。
円資産を持っている外資は、円が安くなってくると、ヘッジとして日本の株を購入するのです。円資産の比率を下げることはあっても、売り切ることはありません。それでは国際的な投資、あるいは投機のバランスが悪くなるからです。ですから、株を買ってヘッジをして置きます。
プラザ合意前は、1ドル240円でした。それが80円を切るまでいったのです。こんなに何倍にも通貨がきり上がった国はありません。異常なのです。異常はやがては是正されます。そのきっかけが日銀による金融緩和です。単純に半値戻しと考えれば、中期で160円ぐらいまであっても別におかしくないと私は思います。その時、株価はどうなっているでしょう。
これらのリスクとリターンを考えれば、やはり資金配分です。単純に優待目的のみで持っている株は別にして、おのおの許容できる資金配分を考えて見る必要があると思います。