よもやまばなしは、四方山話と書きます。
四方山とは、四方にある山という意味で、四方山話とは、様々な、色々な話ということになります。
さて、山あり、谷ありは、株式の常です。株価と言うのは、上がったり下がったりします。このように当たり前のように上がったり下がったりしますが、下がると文句を言われたりもします。おかしな話です。
会社の業績や立ち位置は数日でそうそう変わるものではありません。
いったい、なぜ株価はこのような動きをするのか、そのことに付いての四方山話になります。
株価と言うのはいつも間違っていて、株価の動きは大きな間違いからそれなりの間違いへ是正する動きだと、常々述べてきました。
今付いている株価が正しいという言い方がありますが、もちろん逆説的な言い方です。株価はいつも間違っていて、定まるところがないから動くのです。
いえ、正しくないと思われているからこそ、揺れ動くのです。
株価と言うのは、最終的に需給で決まります。
このことに異論がある方は少ないと思いますが、この需給を決めるのが投資行動や実需になります。
では、この投資行動は何によって決定されるのかと言う事ですが、もちろん、業績ではありません。業績を受け止める人の判断です。
つまり人が株価に作用します。業績や思惑や事件、事故、すべては人がどのように感じるかによって、投資行動になります。
そして、人は様々な矛盾に満ちた判断をします。この矛盾が行動経済学で研究されている事柄でもあります。
人がものを買うと言う行動の、その根底に感情があります。
車を買うにしてもエンジンが良い、燃費が良いと言うことでは人は買いません。感情が生じるから購入行動になるのです。
燃費が良いので、買いたいと言う感情が生じたのか、買いたいので、燃費が良いからと理由付けをしているのかは、判然としません。
ただ、はっきりとしていることは、感情で人は買う、行動すると言う事です。売れるものは感情を呼び起こします。
これは恋が感情であることと同じです。
株式も同じです。最終的には感情が株価を決めます。人の感情の変化が株価の変化です。
このことが、この株価が間違っているか、正しいかの判断が分かれるところでもあります。
株価は森羅万象を織り込んで動きます。しかし、森羅万象を織り込んで動くのは、人の感情です。
テクニカル指標と言うのは、内在するこの感情を浮き彫りにしてくれます。
そして、最も強く心に織り込む感情は、恐怖です。ですから、最も乖離が激しくなるのは、恐怖に駆られた投資行動の時です。次ぎに欲です。
ファンダメンタルズは、この恐怖や欲を癒して、その乖離をしめします。
株価を観測すると言う事は、市場に渦巻く感情を観測すると言う事でもあります。