中国上海市場の下落の影響もありましたが、予定通りと言ってはいけないのかも知れませんが、市場は元気いっぱいに見えます。
さて、この事を持って、日本市場のみ過熱、強さは異常、そして、警戒の観測が多くのアナリストから出ていますが、この論旨がよく分かりません。
要するに、ダウとの比較論、上海の先行きなどをもって、東京は根拠無き強さで危険と言う結論を付けているわけですね。
アメリカ市場は、金融緩和による金融相場から、業績相場に移っている最中です。利上げがどこかでありますので、警戒も出ていますし、業績もすでにある程度、織り込んでいます。
先行きとは微妙と判断されます。これからも十分な業績の拡大が訪れなければ、じり貧の展開、下落が待っているのかも知れません。
上海は、おそらくバブル崩壊を起こしていて、どこかで更なる下落があるのでしょう。
なんども書いていますが、上海市場の下落ではなく、この事による中国経済失速には、最大限の注意が必要です。正確に言えば、中国経済の崩壊に近い、中国そのものの失速、もしくは崩壊の影響は、もちろん要注意です。
しかし、日本市場は、金融相場の真っ最中です。少し計算して頂ければよろしいのですが、市中に供給されている資金は金融緩和以来、毎月7兆から、8兆。この内のある程度が市場に入っていますが、そのようなことは、実に些末なことです。
この資金によって、デフレが終わろうとしているかもしれない、日本経済に対する累計的な規模を考えることが大切です。
おそらくデフレは終わっていますが、まだ危うい最中にいるということでしょうか。その危うさを日に日に払拭しつつある、これが日本経済の今の現状です。
おそらく市場の大方の流れが変わったのは、ダウの呪いが否定された時、日経平均の数字がダウの数字を抜けないというジンクスが終焉した時からでしょうか。
日本経済がデフレに入って行く前、数字上の日経平均はダウの十倍でした。そして、デフレ経済に入り、日経平均は数字上、ダウの下に長らくいました。実に十分の一の数字の下に潜り込んでいたと言うことです。
説明のため、古い話も引き合いにしましたが、ダウと比較してとか、上海が駄目だからとかなど、このような数字上の比較論で、日本市場が過熱しているという判断は、元々、中長期的には、オカルトなのです。
もちろん、各国の市場は当然のごとく、影響し合っています。
しかし、それは単に外出中の財布の中身のやりくりの範疇に過ぎません。そして、ほとんどの参加者が中国人のみの上海市場の下落の影響は、その日の財布への影響もなく、気分の問題に過ぎません。
考えて見て下さい、平成バルブの崩壊によって、ダウは中長期的に強い影響を受けたのでしょうか。連動したのでしょうか。
その時、日経平均はダウの10倍ありました。時価総額はニューヨークを上回っていました。もちろん、日本の経済規模もアメリカに次ぐ、世界第二位でした。十分、影響してもおかしくありません。
激震が走って、世界経済が、アメリカ経済が縮小したのでしょうか。
ここで、大切なことは、日本なんてという、自虐に走らないことです。日本経済や日本の株式市場は、世界に大きな影響を与えてもおかしく無い規模だったと言う事実がありました。
日本のアナリストは、相場観測で、常に日本市場が影響を受けるということしか言いませんが、短期には、丁半ばくち、中期的には当たりません。
重要なことですが、日本のGDPに於ける輸出の占める割合は、12%から、14%。日本は、圧倒的に内需の国です。
この内需の国が、デフレを払拭しつつある、この大きな変化、この巨大な影響力、これに勝るものは、現状、あまりありません。些事にとらわれるべきではありません。
現状、日経平均株価はともかく、トピックスは、2007年の高値も超えていません。
日本市場は警戒するほどの加熱ではなく、まだ、まだ、始まってもいない弱さなのです。