RIZAPグループ(2928)は札幌証券取引所のアンビシャス市場に上場しています。
そして、しばらく前より、東証一部へ指定替えをする準備をしています。

RIZAPグループの上場市場指定替えについては、RIZAPグループが決めることですので、以下、すべて憶測ですと、最初にお断りして話を進めます。

RIZAPグループは上場して10年になります。普通に考えれば、この上場10周年前後がターゲットになります。(上場は、2006年5月)

RIZAPグループは、今年の総会での役員の改選で、奥様(瀬戸早苗氏)を取締役から外しました。
身内が役員になっている事は、上場審査で、多くの場合、問題になることです。
絶対に駄目と言う事ではありませんが、上場時の審査では、公私混同がないことを激しく問われます。

潔白さを証明するためには、(上場時だけでも)身内を外してしまうのが一番の解決策になります。
ですから、審査で指摘されたか、指摘されることが分かっているので、予め外して審査体制を整えたかということなのだろうと、私は思っています。

ですから、現在、上場申請をしているか、上場申請が間近ということです。 少なくとも、幹事証券の事前審査は受けている状態でしょう。

また、上場審査には、形式審査と、実質審査があります。
形式審査の条件で、RIZAPグループが問題になりそうなことは、流通株比率35%以上(二部の場合は、30%以上)であろうと思います。
(流通株比率は、上場時の見込みでよく、達成して無くても審査は受けられます)

これについて社長は色々なところ(総会での質問への回答やメディアのインタビューなど)で、東証一部への上場条件は流通株も含めて満たしていると発言していますが、若干不足している模様であり、ドイツ銀行へ割り当てている新株予約権の第三者引き受け発動を前提にしている話だと思われます。
しかし、ここに来て、RIZAPグループは、ドイツ銀行へ割り当てた新株予約権を買取、破棄しています。どうしたのでしょうか。

ここからは、さらに全くの憶測になります。

マルコ(9980)ちゃんは、良さげですねの記事で、マルコの買収について、当サイトはこう書いています。

「M&Aをする会社を探していて紹介されたと言うことでなく、伊藤忠商事からの働きかけで、資本業務提携の交渉に着いたようです。通常、こういった場合、伊藤忠商事から何らかのアイディアや提案があったものと思われます。」

また、伊藤忠商事に対して、「まだまだ、絡んで来そうな気がしますが、どうなのでしょう?」と書いています。

事実、この記事の予想通りの展開になり、伊藤忠商事とRIZAPは、アパレルや雑貨分野のマスターライセンス契約を締結し、共同で取り組みをすることになりました。※(後日記載)RIZAPの低糖質パンなどを伊藤忠傘下のファミリーマート等で販売することにもなりました。

ところで、この両者がどのように結び付いたのかと想像しますと、金融グループで括れば、RIZAPグループも伊藤忠商事も、みずほグループであることが大きく関係しているのではないかと容易に推測ができます。つまり、みずほ銀行が介在したのでは無いでしょうか。

RIZAPグループの黎明期に豆乳クッキーの売り上げが、100億円から、20億円程度まで急落して、赤字になりました。その時、各銀行が貸し付け金の回収に走ったときに、社長が交渉した結果、他行の分も含めて融資をして助けた銀行があるそうです。異例の措置です。
社長は銀行名を公表していませんが、恩があり、今でも主要な取引銀行として、付き合いが深いという発言をしています。

みずほ銀行は、RIZAPグループの筆頭の取引銀行です。みずほ証券は、野村の次ぎに来る幹事証券です。名義書換は、みずほ信託銀行です。RIZAPグループは、すべてがみずほです。

この銀行が、みずほ銀行でなければ、何なのでしょうか。

さて、伊藤忠商事を説明する場合、みずほグループ(旧第一勧銀グループ)の大手総合商社とまず記述されます。
みずほグループの商社筆頭で、非資源を推し進め、繊維、ブランドビジネスを大きく展開しています。みずほにとって、重鎮ですし、商社は多くの事業を手がける商人ですので、金融グループは、その商売の要です。

背景が想像できるのではないでしょうか。

さて、重要な提携相手であれば、商社は資本参加もします。買収したマルコにも資本参加をしています。
マルコのビジネスで協力し、して貰って、さらにRIZAPグループのアパレル、雑貨でも協力すると言う事であれば、また同じみずほグループで、みずほ銀行からの紹介等があったという前提で、資本参加も考えていることは容易に想像できます。

伊藤忠商事は、今後、様々な提携相手として、RIZAPグループの少なくとも数%の株式を持つつもりではないでしょうか。

ですから、RIZAPグループは、必要が無くなったドイツ銀行へ割り当てた新株予約権を買取、破棄したのではないでしょうか。

そういうことであれば、伊藤忠商事は出来れば東証へ行く前にRIZAPグループの株を持ちたいと思っていることでしょうし、ライザップグループは少なくともドイツ銀行の条件以上の株価で渡したいと思っていることでしょう。また、伊藤忠商事が株式を持つのであれば、そのことで、東証一部の流通株基準は余裕を持って達成します。
ですから、株価が上がるのを待つことで、東証へ行くのが遅れたのではという、想像も出来ます。

以上、まったく無保証で、単なる憶測の1つと明記しておきます。