北朝鮮が水爆と称している160キロトンの核実験を先日行いました。前回の実験に比べて13倍以上、広島型の10倍以上の規模の爆発で、相当な能力向上です。
※威力は最新の観測により、修正しています。
この事柄に付いて、戦闘の可能性も含めて纏めてみました。
判断はあなたにお任せ致しますが、やがて軍事行動がある可能性は、高まったと私は思っています。
米国の理由
電磁パルス攻撃が可能
今回の160キロトンの水爆、あるいは高性能原爆は、電磁パルス攻撃が可能です。
電磁パルス攻撃と言うのは、高高度で核爆発をある程度の規模で起こすと、ガンマ線が薄い大気の中を縦横無尽に飛び回り、酸素分子や窒素分子の中の電子を弾き飛ばし、数万ボルトの強い電磁パルスを発生させる現象を利用するものです。
発電や送電も機構が破壊されて停電が起き、その他、電子機器が破壊されます。電磁パルス攻撃について
よく知られた現象で、ある程度の大きさの核爆発を高高度で起こせば電磁パルス攻撃が可能だと推定されますが、わざわざ北朝鮮は、電磁パルス攻撃がアメリカに向けて出来ると表明しています。
これは宣戦布告と同じですが、現在、朝鮮戦争は戦時が続いている状態ですので、宣戦布告は必要はありません。つまり、明確な脅しです。
しかし、これで一気に米国の時間の猶予がなくなりました。
高高度で爆発させるだけなら、ICBMは必要ありません。まだ持っていないと推測されていた、大気圏再突入技術も必要ありません(再突入技術を持ったと言う証拠も出ています)。
現状でも、偽装した貨物船などで、米国の近くに移動式の車載用の中距離ミサイルを運び、高高度に打ち上げて核爆発を起こすだけで、米国全土が機能不全になります。
匕首を喉元に突きつけられた形ですので、突然、安全保障上の重要問題になりました。
また、米国本土の上空に届くだけの飛距離を伸ばすだけのICBMで良ければ、開発は時間の問題でしょう。
米国の軍事兵器や主要インフラは電磁パルス攻撃の対策済みでしょうが、その他のほとんどの電子機器は破壊されると思われます。
社会インフラや電子機器の復興には何年も掛かりますので、電気が使えない原始時代と同じで、大混乱が続き、死者も多く出ます。
また、電磁パルス攻撃は、対策をしている機器でも防げるかは未知数ですので、今日では報復のために一定数の潜水艦は核弾頭と共にパルスの届かない海の深くに潜っています。
ですから、大国同士では普通は使えない攻撃ですが、北の王国は実行するのかも知れませんし、威嚇はするつもりでしょう。
核ミサイルが拡散する
北朝鮮は、中東などで兵器ビジネスをしています。そして、もっとも高く売れるのは核ミサイルです。
米国の宿敵に、電磁パルス攻撃が可能な破壊力のある核ミサイルが拡散しますので、死活問題になります。
北朝鮮は脅しかも知れませんが、中東には米国を攻撃しかねない敵が多くいます。
米国が北朝鮮の核ミサイルを容認できない1番強い理由だと思います。
なお、公開された写真の核弾頭は、ミサイルに搭載可能なものでした。
日本の核武装を招く
北朝鮮の核をそのままにしたら、日本の核武装を招く恐れがあります。
特に北は日本と時差もなく、非常に近くに存在しています。
同時に何発もミサイルを撃たれたら、撃破が出来ない可能性もあり、現実的な防衛には報復出来る能力(抑止力)が必要なのです。
この事は米国もよく分かっておりますし、日本も日本の安全保障を損なう玉虫色の妥協をしないように非公式には伝えているようです。
米国が恐れているのは、日本が核を持ち、米国の核の傘から出て行くことです。
ですから、北の核を認めるという形での妥協は、かなり難しいものとなっています。
米国の覇権
クウェート侵攻に端を発するイラクとの湾岸戦争は、パトリオットのテスト場でした。
当時、クウェートと原油で揉めていたイラクに、米国大使が侵攻を打診してきたイラクに米国は関知しないと述べ、イラクのクウェート侵攻を後押ししています。
米国は、大使のミスと主張していますが、本当にこんな重大なミスを大使がするのでしょうか。普通は本国の指示を仰ぐ事例であり、ありえません。
いつもこのような策謀を米国はしています。
ベトナム戦争を起こしたトンキン湾事件も今では米国の自作自演だったことが暴露されています。
9.11の同時多発テロも状況証拠や消防士の証言から陰謀説が盛んです。アメリカ同時多発テロ事件陰謀説
そもそも真珠湾攻撃もアメリカが画策したものだったと言うのは、固く信じられています。真珠湾攻撃陰謀説
米国にはこの手の話はごまんとあり、実際に陰謀だったと証明される事例も多いのです。
米国の本当の敵は、ロシアや中国です。
やがて来る対決のために、兵器のテストを実践でして来ました。
米国は核保有国との戦争をしたことがありません。
ここに勝てる核保有国があります。テストしていない新兵器も溜まっています。
米国は北朝鮮が核を持つまで放置した、していると言う説も、以前から根強く語られています。
トランプ大統領弾劾逃れ
ロシア疑惑での弾劾逃れで戦争を起こすかどうかと言う事ですが、なんとも言えません。
しかし、その場合、政治的にトランプ大統領を追い詰めることは、ほぼ不可能になります。
また、もし、弾劾を受けた場合、大統領になるのは、副大統領のペンス氏です。彼は軍部とも近く、もっと強硬派です。
中国の態度
中国は北が核を持つのは望んでいません。米国にとっての日本のようなものです。
中国政府は別にして、人民解放軍は北朝鮮を信用していません。
人民解放軍そのものは、仮想敵国の1つとしていると言っても過言ではありません。朝鮮戦争以来、不信感を持っています。
既にコントロール出来なくなっており、中国政府にも鬱憤が溜まっています。
なお、中国政府の公式見解ではありませんが、人民日報に北朝鮮が先に手を出せば、中国は静観すべきとの論調が乗りました。
もちろん、条件としては、中国に都合よく北朝鮮の存在が残ることです。
これは、外交的には、米国が嘘でも北が先に手を出したという舞台作りをすれば、何もしないと言うメッセージを送ったと言う事です。
もちろん、米国が今まで色々な陰謀を策していたということは、中国も知っています。
ロシアの状況
北朝鮮が瞬く間に核やミサイルを進化させているのは、ロシアやウクライナから技術が流出しているからです。
ですから、ロシアに技術を頼っている北朝鮮の核は恐れていません。
北朝鮮を、現状のままで固定したいとロシアは思っていることでしょう。
つまり、軍事作戦が出来るかは、ロシアの牽制次第の面もあります。米国としてもロシアの参戦は防ぐ必要があります。
しかし、 現状、朝鮮戦争が継続していますが、朝鮮戦争はロシアは当事国ではありませんでした(支援のみ)。
ですから、朝鮮戦争がそのまま継続していると言う状況であれば、北朝鮮側でロシアが参戦する理由があまりありません。
また、北朝鮮の核保有が継続することでの、日本の核保有化を恐れるのは、ロシアも米国と同じです。
この事について、安部首相が何らかのメッセージを出せば、静観する可能性が高いと思っています。
もちろん、北の体制は壊さず(金正恩は排除)、核設備を壊滅することが条件になるでしょう。
韓国の場合
朝鮮戦争は停戦はしていませんので、未だに戦争が継続している状態になっています。
しかし、韓国は戦争地帯でしたが、朝鮮戦争の当事国ではありません。休戦協定の当事者でもありません。
つまり、韓国の意思は戦闘開始には反映されません。
北と通じているともされる文在寅(ムン・ジェイン)大統領の韓国には事前に相談をしないで戦端が開かれると思われます。
北朝鮮の場合
北朝鮮は、中東に武器を輸出することが外貨獲得手段になっています。
ですから、イラクのサダム・フセイン元大統領やリビアのムアマル・カダフィなどが米国と妥協して核開発を放棄したあと、あるいはその後、開発の疑惑を掛けられて殺されたことをよく知っています。
北朝鮮はある意味、追い込まれて核開発を始めました。核だけが米国から身を守るものと、多くの事例から学習しています。
つまり、話し合いでの核放棄はあり得ません。
また、兵器は主要ビジネスです。核ミサイルが1番儲かります。
ですから、北の核は、実力行使でしか止められません。それは米国もよく分かっているはずです。
米国のオプションは1つ
北朝鮮と米国が戦端を開けば、報復もあります。ソウルは国境線に近く、砲撃のみで何十万人が犠牲になる恐れがあります。
斬首作戦や限定空爆では、反撃を防ぐ事が出来ません。
この場合、軍事行動があるとすれば、方法は1つしかありません。
飽和攻撃です。
敵を壊滅されることが出来る能力の3倍も4倍も使った飽和攻撃以外、選択肢は無いと思っています。
何千発ものミサイルやB-1B爆撃機の絨毯爆撃を指揮系統や軍事施設に同時に一斉にします。
そして、休みない攻撃を48時間続けます。48時間というのは兵士が戦える限度だからです。
金正恩は地下150mにいると言う事ですが、地上部を広範囲に破壊して埋めてしまえば良いのです。
この地域には、グアムを始め、韓国、日本など、米軍基地がそろっています。
作戦機は500機以上。トマホークのような巡航ミサイルも数千発以上。小型戦術核もグアムにあると言われます。
さらに空母打撃群や原子力潜水艦が加われば、過大な火力になります。湾岸戦争では空母打撃群だけの空爆で片づいています。
充分すぎるほどの戦力で、飽和攻撃が可能です。
※米スウィフト太平洋艦隊司令官は、9月5日の国際海洋力シンポジウムで、「艦艇200隻、航空機1180機、民・軍の乗組員14万人が待機状態」と発言しています。
始めから米国は、軍事作戦ならこれしか考えていないはずです。
限定空爆や斬首作戦を言ってきたのは、カモフラージュでしょう。もちろん、反撃がないという保証があれば、斬首作戦なども考えられます。
ラッセル元次官補によると、アメリカは将来的に、北朝鮮をアメリカ、中国、ロシアの3ヵ国による信託統治にしようと考えているようです。
中国やロシアも乗ってくる可能性があると言う事ですが、安部首相に、その場合の復興費に日本の資金を求めたという事が言われています。
また後継は、金平一(駐チェコ大使)だということです。
懸念は残ります
株価そのものは、軍事行動があってもすべて上手く行き、危険が取り去られれば、大きく下げても比較的短期間にもどるでしょうが、以下の懸念が残ります。
日本や韓国、あるいは米国に潜入している北の工作員のテロを防ぐことが必要になります。
テロ等準備罪が成立していますので、現在内偵をしていて事前の逮捕準備をしているとは思っています。
しかし、阪神大震災でも、がれきの中から工作員の武器が大量に発見されていますので、どれだけ危険物が持ち込まれているか分かりません。
サリンも持っていて、ばらまかれる恐れもあります。
一斉攻撃でミサイル基地を殲滅することが出来なければ、国内の軍事基地に核攻撃がなされるかも知れません。
この場合、ここでは明示しませんが、やはり良く言われる地域が危ないと思っています。
また、韓国ほどではありませんが、日本にも難民が押し寄せる懸念もあります。
以上、北朝鮮状況の落としどころは、金正恩の失脚等がなければ、軍事行動しかないと言う状況が時間が経つほどに、高まっていっています。