ソフトバンクグループの倒産危機は本当なのでしょうか

ここで言及するソフトバンクは、携帯会社では無く、ソフトバンクグループ(9984)のことです。
最近、ソフトバンク・ビジョン・ファンドのウィーワーク(WeWork)の悪材料のために、経済紙やネット上の評論やブログやYouTubeなどで、ソフトバンクの倒産危機がまことしやかに騒がれています。

実際に株価は下がっています。
今日はこの事について、軽い読み物として書きます。

当サイトで推薦している、多くの子会社を抱える同じようなコングロマリット企業のライザップやオリックスに危機があった場合の捉え方の参考の1つにして下さい。

WeWorkなどの悪材料と倒産説の根拠

まず、最初にお断りしますが、詳しく正しく知りたい方は、ご自分でお調べ下さい。
私自身は、ソフトバンクグループを、最近の株価の下げとこの事件で、面白いから100株だけ買って、観覧券を手に入れたような野次馬の部類ですので、本当の意味で詳しく調査した訳ではありません。
ですから、このページには、いつになく不正確、間違いがある可能性があります。

端的に書きます。
ウィーワークは貸しオフィス会社です。おしゃれなオフィスを貸し、世界中に急速に事業展開をしています。
もちろん、赤字です。
ここの株式の29%ほど、ソフトバンクビジョンファンドが持っています。
このビジョンファンドの3割ぐらいにソフトバンク自身の資金が入っています。さらにファンドの半分以上は7%の利回りを保証した資金です。

上場申請前の下馬評やソフトバンクの評価は、5兆円ほどの価値があると見なし、見なされる場合もありました。

しかし、同社は、経理内容も粉飾のような不備があり、目論見書の再提出を市場から要求され、また、経営者の出鱈目ぶりやパワハラが報道され、上場申請の取り下げ、経営者の退職に追い込まれました。
(このあたりの酷さは書けば面白いのですが、冗長なので省きます。)

純損失は19億ドル、売上高は18億ドルで、売り上げより赤字の方が多い企業と言う事が明るみに成り、それだけの価値は無いと言われるようになって来ています。
さらに上場での資金調達を期待していたので、資金が枯渇して、このままでは倒産になり、ソフトバンクのつぎ込んだ1兆円が飛びそうです。

ソフトバンクとしては、資金を突っ込みすぎていますので、退くに退けない、しかし、黒字化の見通しも付かないような事業内容(短期的には)で、資金を追加したら傷口を広げる恐れもあります。
(ここは現在進行形で、どうなるかは分かりません。)

世間的な下馬評では、上場詐欺に引っ掛かったみたいな意見から、どう見てもタダの不動産業で、元々5兆円の価値があると考える事が異常で、孫さんももうろくしたなど、様々です。

さらに、韓国でもクーパンと言うどうしようもない通販会社に3200億円投資して、それが飛びそうということです。

どちらも赤字を出しながら、事業拡大をして来た企業で、規模の拡大が黒字転換に繋がる兆候がなく、売り上げが増えれば赤字も増えるという構造になってしまっていて、手の施しようもない企業です。
(ウィーワークの場合、借りて整備して貸すという不動産賃貸業なので、設計工事募集などを含め、収益化するのに2年は掛かりますが、その前に次々に成長に投資しています。)

このようなことを受けて、ビジョンファンド二号の資金集めも難航し、ソフトバンク自身が4兆円出資しました。

ソフトバンクの負債は、17兆円。自己資本9兆円。元々一見厳しい状態です。
保有株式以外の資産はほとんど無く、株式資産26兆円もウィーワークのように実質価値がないものも多く、また金融危機により暴落する可能性もあり、多くの割合を持ちすぎていてすぐに換金出来ない株式も多いということです。

ウィーワークのような投資の失敗がまだありそうなこともあり、この辺りが倒産説の根拠となります。

倒産はあり得るのか

そもそもソフトバンクは、20年も30年も前から、いつも倒産すると言われていました(笑)。

まず、今後、さらに色々あって何年もして倒産すると言う事を除いて、現状では普通は倒産などありようがありません。

売り機関にお金を貰って書いているのか、元々無知など、それぞれあるでしょうが、本当に経済記者、評論家、投資家の劣化が甚だしいと、最近はいつも思っています。

連結の負債について

まず、負債の17兆円ですが、多くの子会社を抱えているコングロマリット企業は、すべての負債が連結して記載されます。
ですから、全部が親会社の負債ではありません。

子会社の負債は、親会社の負債でしょう、返さなければならないものでしょうと、こういう一見素朴な出鱈目を思っている人もいますが、そんなわけはありません。

では、子供が作った住宅ローンは、親の負債でしょうか。
違います。
つまり、保証人になったものだけが自分(も)負債です。

同様に、債務保証を親会社がした負債のみが、本当の親会社の負債です。
途中で買った子会社など、元々の負債は、購入会社の負債ではありません。子会社単独で行った負債も同じです。
特別な理由で債務保証をした負債、あるいは、子会社を親会社に吸収した場合のみ、親会社の負債になります。

さらに子会社を売却した場合、子会社が倒産(支援しなくて)した場合、該当子会社の負債は、連結からも除かれます。
赤字子会社であった場合、負債分程度の値下げをしないと売れないと言う事はありますが、少なくとも売却金が手に入り、かつ当該子会社の負債が連結から除かれます。0円で売っても負債だけは除かれます。

連結をしているので、名前は連結子会社であって、負債が親会社のものになるわけではありません。あくまで連結経理上の話です。
※会社が負債を抱えて潰れても、100%持株の社長でも返さなくても良いのと同じです。ですから、銀行は中小企業には、社長に個人保証を付けさせようとしますね。

なおソフトバンクの場合、子会社の債務保証はほとんどしていません。実質的に5兆円程度が本体の負債です。しかも、預金が3兆円。

コングロマリット企業の株式資産について

工場などは、売るわけにはいきません。事業が出来なくなります。また、鉄道会社の線路の土地なども売るわけにはいきません。

しかし、株式は売却が可能です。売る株式がある企業は、時間が掛かっても資金が作れます。
多くの場合、上場株式は簿価より高く売却が出来るものがほとんどです。

連結では、事業子会社の土地や建物、工場などの資産が計上されていますが、連結に記載されていても、親会社の持っているものは、売却がしやすい株式だけです。
資金繰りに困って、売りにくい土地や建物、機材を売る必要はありません。

多くの子会社を持っているコングロマリット企業は、株式を売却して資金が作れます。
同じ子会社でも、事業会社の本業に関係する子会社の株式はいざとなっても売れません。
しかし、コングロマリット企業はドライに子会社株式を売れます。

コングロマリット企業は、事業再編がしやすいこともありますが、資産と言うのは、ほぼ株式だけなので売却で資金調達がしやすく、まず倒産可能性は極小です。

それにソフトバンクの場合、ARMがあります。世界のスマホのCPUの9割は、消費電力400分の1のARMの技術で作られていますし、IoTの時代に入れば、益々価値が上がります。

非同期CPUの時代に入れば、シェアが変わるという意見もありますが、非同期の商用CPUを世界で初めて発表したのもARMですので、少なくとも主要なIoTのCPUメーカーとして存在すると思われます。

少なめに見てもARMは5兆円以上の価値があり、上は青天井です。
ARMを手放すつもりは無いと思われますが、いつでも巨大IT企業に売れる会社です。

また、携帯のソフトバンク(9434)を上場させたのは、いざと言う時の追加売りの緊急資金調達先を作るためだったと思われます。
それにまだまだソフトバンクの子会社で、上場予備軍は無数にあります。
上場で資金を作り、その後、異常事態には売り切って資金化も出来ます。

基本的にビジョンファンドが潰れても、ソフトバンクの損失は出資しただけ(信用はべつにして)ですが、それはともかく、ユニコーン(上場間近のベンチャー企業)へ投資すると言う事は、多くの失敗があっても少数の成功で収支を取れるものです。
そもそも、元々全部を成功させるつもりは無かったと思います。

少なくともソフトバンクは、想定が狂って厳しい状況と思いますが、ボーダフォンを買い取った当時の状況、あるいはスプリントで厳しかった状況とあまり変わらないと思われます。

※観測記事であり、ソフトバンクが当サイトの推奨ということではありません。

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