さだまさしの無縁坂と言う歌に、こう言うフレーズがあります。
「運がいいとか 悪いとか
人は時々 口にするけど
そうゆうことって確かにあると
あなたを見ててそう思う」
無縁坂と言う歌は、母親への愛おしい気持を語る歌です。
それはともかく、例示したフレーズは多くの人がそう思うことではないでしょうか。
もちろん、運や運命を否定する方もいますが、そういうことって確かにあるような感じもしますが、どうでしょう。
この運について書いてみます。
運命は存在するのか
では、運の前に、そもそも運命は存在するのかと言うことですが、天文宇宙学の宇宙の誕生のビッグバンが事実であれば、運命は存在します。
爆発時のエネルギーを測定出来るのであれば、計算で星の誕生から消滅まで導き出すことが出来ます。もちろん、その星の上に誕生した生命の行く末も計算で出すことが出来ます。
例え技術的に計算することが不可能でも、爆発時の運動エネルギーによって、その後の未来はすべて決定されています。
定まった運命は歴然として存在するのです。
一方、現代の物理学のもう一方の先端、量子力学は、この世の中には確率しかないと言います。
既定されたものは何もなく、確率のみが未来を既定します。確率的に未来が決まっていくのです。ある時は大きな確率の方向へ、時には小さな確率の方向へ進むのかも知れません。
現在の最先端の科学の2つが、違った結論を導き出しています。どちらが正しいのでしょうか。
実は最近、分かってきた事があります。
まず、量子力学の実験で、同一の条件で違う結果が訪れる事があることが証明されました。確定した結果と言うものは無かったのです。
そして、天文宇宙学の最新の有力な説でも、ビッグバンと言う爆発は存在しなかったというものが出てきました。
宇宙が加速的に膨張を続けているように見えるのは、実は時間が遅くなっているからに過ぎないと言う事です。
実はその他にも、ビッグバンは無かったという説がたくさん出てきました。
興味のある方は、それぞれお調べ下さい。実に面白い話がたくさんありますが、ここでは割愛します。
まだ確定ではありませんが、どうやら定まった運命と言うものは存在しないようです。
すべては確率に過ぎず、人によって運命を切り開くことが出来る事は、科学的にも可能なようです。
成功は運で決まる
さて、では、運はどうでしょう。
運が良かったというのは、「不確実性が我々に幸いした」ということです。
これはスタートレック(日本語訳:宇宙大作戦)のミスタースポックの言葉です。彼は論理こそすべてと考えるヴァルカン人と地球人の混血です。
彼によると、不確実な結果に対する、私たちの事情による思いが運の善し悪しになると言う事でしょうね。付きを気にする地球人との混血らしい意見ですね。
ところで、成功者の多くが運が良かったと語っています。
この事は普遍的なことで、成功した人々の多くが色々な場面で同様なことを言っています。
パナソニックの創業者の松下幸之助氏も、成功は、運が90%と語っています。
また、逸話もあり、幸之助氏は人を採用するときには、運が良いかと質問して、自分は運が悪いと答えた応募者は、どんなに学歴が良くても、どんなに才能があっても採用しなかったそうです。
なるほど、運がすべてなんですね。
運の感じ方
と、思う前に、ここで考えて見てください。
先のミスタースポックは、不確実性が幸いしたと、不確実な結果に対する、私たちの事情による思いが運の善し悪しになることを示しました。
要するに運が良い人は、良いと思っている人と言う事です。
リスクを取ることと成功との因果関係はありません。しかし、リスクを認識して成功した人は、運が良かったと思っています。
また、運が悪かったと自分の失敗を運に結論づけている人は、反省が出来ない人で、成長しない人です。
運を作り出す人
では、思える人だけでしょうか。
これがすべてなら、偶然成功した人が運が良いと思っているだけなので、運の善し悪しはランダムです。
いえ、違います。
成功した人は多くの小さな成功を自分のものとしています。何度も成功を納め、運を感じています。
多くの些細な事に気がついて、窮地を脱する人は、何度も隠れた支障に違和感を抱いて、回避や転身をしている人で、転身が出来る人です。
その人の才能や能力なのです。しかし、その人は気がつけて運が良かったと認識しています。
色々な事を試して、偶然良い物を見つけるのは、それだけの量を試した、あるいは方向性が良かったと言うことですが、周りの人やその人は、運が良かったと感じています。
チャンスを生かせる人であったり、ポジティブに考え、行動を起こせる人であったり、多くの活動をしてチャンスに出会いやすくしたり、足元に小銭が落ちていることに気づける人です。
つまり、それらが運が良い人です。
投資も運が大切
松下幸之助氏は運の良い人か普通の人を採用しましたが、そうした運の良い人が多ければ、運の良い会社になります。
さて、成長企業への投資では、社長は重要です。
成熟企業へ配当目当て、あるいは優待目当てで投資をする時は、仕事で能力が証明されてきた人物が社長のはずですし、おそらく運の良い人です。
さらに組織もしっかりしていますので、社長はやや気にする程度でも構いません。
しかし、成長企業への投資では、私はネット等を駆使して、社長の今までの言動や行動などを徹底的に調べます。
それを自分で総合的に判断する訳ですが、優秀で誠実であること、天狗にならないことなどの常識的な人物判断の他に、この人の運を見ます。
運が良い人だなと感じられる人、周りの人が運が良いと証言していたり、本人がそう思っていたりがあれば、安心して投資が出来る社長です。
運が良いと言うのは、無形の目に見えない本人の能力を表している可能性が非常に高いからです。
何はともあれ
さて、自分も運の良い人になりたい方は、心理学者によって真面目に運の実験や検証をして、運が作り出せることを示した書籍がありますので、何かの参考にしてください。
Amazon:「運のいい人の法則」。
楽天ブックス:運のいい人の法則 [ リチャード・ワイズマン博士 ]