夢展望取得
少し掲載が遅れましたが、当サイトの注目銘柄、健康コーポレーション(2928)は、夢展望(3185)の子会社化を決めています。
上場会社3社目の買収です。夢展望はネット主体で販売しているアパレル会社です。
夢展望は、上場後、一気に業績が落ちこみました。落ちこみの原因は、海外生産での輸入取得単価が円安でふくれあがったこと、主体にしていた若年女子層のいわゆるギャル系ファッションのトレンドが変わったことと思われます。
シンジケートローンの特約の、「借入人の連結の損益計算書に記載される経常損益を2期連続して損失としないこと」及び、
「平成 27 年 9 月末日における連結事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額を、平成 26 年 9 月期末日または直近の事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の 75%に相当する金額のうち、いずれか高い方の金額以上に維持すること」
この条項を達成することが不可能であることで、本年9月には、破綻が決まっていました。20社程度に打診して、健康コーポレーションのみが、第三者増資に応じたという事です。
夢展望は、スマートフォン等を通じたEC(電子商取引)運営のノウハウと 160 万人の会員資産を持っています。健康コーポレーションでは、これらの活用を表明しています。また、ニュースでの業界関係者によると、健康コーポレーションは、名簿が欲しかったのだろうということです。
たしかに160万人の若い女性の会員名簿は、関連事業を多く抱える健康コーポレーションにとって非常に価値があります。そして、その会員名簿を取得するノウハウ、つまりアプリを使った、スマホ販売ノウハウに価値を見いだしたと言う事であると思います。
健康コーポレーションは、スマホアプリ開発を含めたシステム開発会社を取得しています。これはスマホからの売り上げ、問い合わせが非常に増えていることで、関連技術をグループ内に取り込む施策であると思われますが、実際の販売ショップからみたノウハウの取得にも動いたと考えることが妥当です。
健康のアパレル子会社には、マタニティ服の老舗エンジェリーベがあり、ここを中心にネット展開をしています。アンティローザは各年代の婦人服、紳士服に店舗展開をしています。そして、全国の百貨店へ店舗展開をしている高級婦人服のブランド真梨邑もいます。
実店舗のみで無く、一気にネット販売へも傾斜するには、夢展開のスマホアプリを活用した販売ノウハウは必要なものであり、また、店舗展開も進めている夢展望にしても、健康コーポレーションのノウハウは必要なものです。
健康コーポレーションは、アパレル子会社間で、倉庫の共有、仕入れ元の共通化、開発の相互協調、運輸の共通化などを推し進めています。
アパレル部門は、共通化できるものが多く、ブランド展開はそれぞれ多店舗展開、多サイト展開で行えば良く、経営面でも一体であることが望ましく、将来的には夢展望の上場会社としての位置を使って、アパレル子会社の信用力やブランド力を増していくことも考えているのでしょう。
現在、夢展望の株価は、ストップ高を連続した後の調整に入っています。
予てより、健康コーポレーションは、グループをあげて優待を充実させると表明していますので、株主優待の新設も可能性が高く、押し目を拾っておくと面白いでしょう。
健康コーポレ-ションの中期計画
健康コーポレーションは、前中期経営計画が、3年前倒しで、達成出来たことを受け、新しい中期計画を作成しています。
2020年の時点で、売り上げ3000億円、営業利益350億円です。
これは相当の成長を見ているものですが、グループ会社の更なる拡大、発展も視野に入れていると思われます。
当サイトとしては、すでに推奨以来、株価10倍以上(現時点で16倍)を達成していますが、中期計画の達成が出来るのであればと言うことを念頭に、さらにここから10倍もあり得ると考えています。