当面、日銀のマイナス金利が、裏目に出てしまっているようですね。
前回の記事で、「為替の動向を見ていけばよろしいと思います。」、と書きましたが、現在のドル円は110円台、かなり急激な円高になっています。

このまま円高が進んで行けば、おそらくアベノミクスは歴史的に失敗というレッテルを貼られることになる可能性も少なくないと思っています。
株高、デフレからの脱却、名目GDP3%程度の成長など、すべての事柄が崩れ去ってしまう恐れがあります。

もちろん異次元的金融緩和の目的は、デフレからの脱却で、円安は付随的な現象と言う説明を日銀はしていました。
しかし、金融緩和による円安を起爆剤に、企業収益の改善、失業率の低下、賃金の上昇、インフレ目標達成、デフレからの脱却をしていくというシナリオがあったのは明らかです。

さて、燃料輸入国でもありますし、インフレの計算から原油は除いても構いません。
コアコアCPIでは、原油は無視しますが、日銀が指標にコアCPIを採用したことで分かるように、理論的にはともかく、現実的な問題としては、原油安によるマインドは、やはり大きいのです。
理論的には、原油安は無視しても良いが、現実的にはデフレマインドに影響します(と思います)。

そして、これにプラスして、円高方向へ向かうと言う事、これは理論的にも、現実的にも、マインドの面でも、デフレ圧力を増します。
「企業収益の悪化、失業率の上昇、賃金の低下、インフレ目標未達、デフレへの回帰」と、すべてが逆回転して行きます。もちろん株価も下げます。

もちろん、これは分かっていることです。防衛ラインも突破されています。ですから、何らかの対策が出てくるものと思っています。
また、110円台に達しましたので、為替相場は達成感による揺り戻しもあると思われます。
このタイミングで何らかのアクションがあれば面白いかも知れませんがすぐには期待できないかもしれません。

アメリカ経済も不安要素が強くなってきましたが、まだまだ強いことも事実です。
中国はリセッションに入っていますが、当面は一気に下降して行く可能性は少ないでしょう。

やはり今後も為替動向を観測して行きたいと思っています。