第一交通産業(9035)はタクシー業界最大手で、バスの運行なども行っています。
他に不動産事業、金融、自動車整備、介護、スタンド、旅行などの地域に密着した事業なども、グループ会社170社と共に手がけています。
福岡証券取引所に上場しています(執筆時735円) → 現在の第一交通産業の株価

株主優待は、3月末日・9月末日の年2回。優待クーポン券(一冊あたりタクシー券1000円分と各種割引券)

  • 100株以上1冊
  • 600株以上2冊
  • 1,000株以上3冊
  • 2,000株以上5冊
  • 4,000株以上10冊
  • 6,000株以上15冊
  • 8,000株以上20冊
  • 10,001株以上30冊

割引券は、分譲マンション、戸建て、リホーム、自動車整備、老人ホームなど、同社が手がける事業に使えます。
タクシー券は、額面の範囲内で、通販事業の通販取扱商品と引換も出来ます。

群雄割拠のタクシー業界

大手タクシー会社は、頭文字を取って、「大日本帝国」と呼ばれる、大和自動車交通、日本交通、帝都自動車交通、国際自動車の4社が有名です。
これらは、関東を中心に営業している会社で、それぞれ百数十億から、五百億円の売り上げを持っています。

タクシーは、全国に24万台以上あり、本当のタクシー業界の最大手は、実は個人タクシーです。
その他にも地域地域に、小さな会社が無数にあります。

第一交通産業が最大手と言っても、同社は9千台あまりに過ぎませんし、「大日本帝国」各社は、第一交通産業以下です。
ただし、日本交通は500億円以上の売り上げがあり、第一交通産業に迫っています。
第一交通産業の売り上げは1100億円ぐらいですが、タクシー部門だけなら600億円程度です。

最大手の第一交通産業のタクシー業界に於けるシェアでも3%台(3.7)で、全くもって群雄割拠の業界です。

個人タクシーの売り上げ高は分かりませんが、車両シェアは16.8%程度ありますので、法人タクシーは83.2%程度になります。
第一交通産業でも4%以下、関東の大手4社もそれぞれ、1%~3%です。
つまり、車両シェア70%ぐらいが、シェア1%にも満たない無数の会社(15000社ほど)によって占められています。

普通であれば、20%程度のシェアの会社が一つぐらいあってもおかしくはありませんが、全くもって集約が遅れている業界がタクシー業界です。

それでも集約は進む

昔は流しのタクシーを掴まえると言うのが、普通でした。ですから、大手が有利と言う事は全くありませんでした。

今でも流しのタクシーが基本になりますが、最近はやはり乗車拒否や不愉快な運転手などの問題があって、女性を中心に大手のタクシーを選ぶ人が多くなっています。

また、ポイントカード、使える電子決済や独自のサービスなどで、お気に入りのタクシーを呼ぶことも増えました。
小さな会社では、様々な決済や多言語サービス、タクシーでWi-Fiなど、色々な時代の変化にいち早く対応することも難しくなりつつあります。

増えつつある高齢者の病院通いなどの足としても、やはり名の通ったところが電話で呼ばれることが増えています。
今日ではクリック一つで、場所もGPSで自動的に伝えられますので、日常的にスマホのアプリで呼ぶ人も50万人以上います。
スマホに対応出来る会社のタクシー台数は今の所、全体の10数%。

大手のしている妊婦さん送り迎え、子供の送り迎えなど、様々なサービスは中小と言うより、タクシーはほとんどの零細企業ですので対応出来ません。

又、タクシーは景気の波に鋭く影響されます。
大手では対応出来ても、零細や個人では対応出来ず、何とか頑張っていても、車両の入れ替え時の負担を捻出することが出来ない場合が多いのです。

事実、個人タクシーも、中小タクシー会社も年々減っています。

確実に集約化が進みつつあります。

第一交通産業が束ねる

「大日本帝国」と呼ばれる大手4社は、首都圏が地盤です。
第一交通産業は、本社こそ福岡ですが、全国34都道府県に拡大しています。他にはこのような規模の広域のタクシー会社はありません。

過去から、M&Aを盛んに行っていて、拡大志向が強い会社です。
今ではタクシー会社のM&A案件の50%を、この第一交通産業が引き受けています。身売りされる会社の半分を一社で買い取っている訳です。

ライバルより高い買取値段を提示して競り勝っていると言う事ですが、採算が苦しいタクシー会社などの再建のノウハウを持っていますので、M&A案件の引き受けに対して、自信があるからだと思われます。
また、私鉄などの合理化のためのタクシー部門の売却では、安心出来る譲渡先として、値段に依らず第一交通産業が指名で選ばれているようです。

概ねタクシー会社を売却するときは、今まで競って追い詰められた地元の同業他社に身売りする事への抵抗で、ほぼ唯一の全国的な広域タクシー会社として、同社が選ばれる傾向にあると言う事です。

このまま順調に行けば、現在のシェア4%弱が、例えは8%程度になったとして、倍以上の成長を遂げるわけです。
もちろん、タクシー業界も普通の業界のように、これからはもっと大きなシェアを占める企業が出てくると思われ、その1つが同社になる可能性が高いと思われます。

シナジーの創設

第一交通産業の売り上げの半分程度は、タクシー以外の事業によります。
この点も他のタクシー会社との大きな違いです。

バスも多く(700台所有)、(特に沖縄では路線や観光を含め、バスのシェアの7割を占めています)、その他に、マンション分譲、戸建て分譲、賃貸ビル事業(管理ビル2000棟あまり、所有ビル78棟)。

不動産事業が突出していますが、これは、M&Aをしてタクシー会社の事業所を自社の事業所と統合して、その土地にビルを建設するというビジネスモデルになっているからです。
また、物件により、コインパーキングに活用したり、老人ホームに活用したりします。

シナジーも大きく、居酒屋やレストランが入っている自社管理賃貸ビルに送迎したりする需要が発生します。
もちろん、良い飲食店を尋ねられたら、自社商業ビルに送るのはもちろんですが、タクシーで帰るお客さんにも優先的に第一交通が選ばれるわけです。
分譲マンションの住人へもことあることにアプローチします。

このような事を同社では、顧客を創っていると称していますが、まさに周辺事業と、同社の路線バスやタクシーは、お客さんを相互に融通し合うような背景になっています。
地域を囲い込み、それぞれの地域で経済圏を作っています。その地域で他業種ながら集中展開するドミナント戦略のようなものです。
ですから、同社のタクシー事業は、他社より利益率が良いようです。

タクシー事業でも空白地帯の他の230社とも提携し、同社のタクシーチケットは全国34000車で使えるようになっています。

当サイトの見解

同社は、福岡証券取引所の単独上場企業です。会員証券の20社程度でしか買えないわけです。
ただし、形式要件では、東証へ指定替えが出来る状態にあります。

PERは6.67とかなり割安になっています。
同業の大和自動車交通(東証2部)のPERが14ぐらいですので、割安さが目立ちます。
第一交通産業のほうが優れているところはあっても、劣っているところはほとんどありませんので、ひとえに閉鎖的な市場に上場していることが原因だと思われます。

大和自動車交通は、ほとんど成長しておらず、むしろ十数年前からみれば売り上げは半減していることを考えると、第一交通が東証へ行けば、大和自動車交通以上に評価される可能性があります。

また、同社は長い間、成長をし続けており、ここ数年の成長が大きくなっています。弾みが付いて来た感じです。
上場しているタクシー会社はこの2社しかないため、判断はしにくいのですが、以前、業界トップだった非上場の日本交通も最盛期からは売り上げを落としており、同社はタクシー業界では珍しい成長企業だと思われます。

タクシーやバス、不動産などの再建会社とも言える特色のある同社は、これからもM&Aを行いながら、末永く成長を続けることが予想されます。
タクシー業界の全体のパイは大きくならないと思われますが、その中で第一交通産業はシェアを高めていくと思われ、それに伴い周辺事業も拡大していくと判断しています。

その課程で、東証への指定替えがあれば、どこかで大きく動くこともあると考えられ、東証への指定替えがなくとも、当サイトの見解としては、長い目で見て、ゆっくりとした成長の果実を手にすることが出来ると思っています。

以上を持って、 第一交通産業を当サイトの参考銘柄に指定します。

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