「株主優待銘柄投資法」という言葉があるのかどうかは知りませんが、当サイトでは投資としての株主優待株の購入を意味しています。

それでは、当サイトの主張であるこの投資法の概略を説明します。

株主優待とは、皆さんもよくご存じのように、株主に対して、配当だけでなく、なにがしかのプレゼントをする制度のことです。

株数に応じて優待内容が変化することもありますが、多くの場合1単元(株式購入出来る最低単位)で株主優待の権利を獲得できます。

つまり、一般的な小口投資家にとって、より魅力的な制度とも言えます。有利な物では、優待利回りと配当利回りで換算すると、十数%以上になるものさえあります。しかも、配当には税金が掛かりますが、優待は課税されません。

この株主優待制度は、日本独特なものです。外国にはあまり例がなく、小口の投資家に有利なものになりますから、すべての投資家に平等に利益を配分するという趣旨から言えば、不公平な制度とも言われます。

そうです。運良く日本に住んでいる小口投資家であるならば、この有利な制度を利用しないのは、あまりにおろかです。もちろん、株式投資は銘柄を分散した方が安全と言われます。大きく投資をしている方も、優待利回りのためにこの分散をしていけば、それぞれの銘柄にとっては、小口投資家です。

さらに、優待制度を採用してる企業の株価は、優待銘柄独特の動きをすることがあり、ある意味では動きが非常に読みやすい株です。

優待権利日に向かって株価は上昇し、権利落ちの日には下落することが常です。有利な優待をする企業への投資はその波に乗って投資をするだけで、かなり確実に稼げます。優待を利用すると言うのは、何も優待権利を取ることだけを意味する訳ではありません。

ただし、当サイトは優待も得ながら、出来れば配当も得ながら、大きな株価の上昇を追い求めるトリプルパワーの投資を基本にします。

優待制度を採用している企業は、1000社弱で、上場企業の約4分の1にもなります。何も優待のない企業の株式を購入しなくても、優待銘柄にも大きな上昇をする株式は、いくらでもあるからです。

なぜ株主優待をするのか

企業が配当増ではなく、株主優待を実施する目的はなんでしょうか。

株主優待の本来の理念から言えば、株主は会社の持ち主であり、自分の持ち物である会社の商品なり、サービスなりを折に触れ確かめるのは当然であり、その検分をするのだから、無料で試せるのが当然でしょう、ということになるのだと思います。

こういう理念的な趣旨から言えば、株主にぜひ商品なりのすばらしさ、有利さを知って頂きたい、と言う事が第一に来るかと思います。

又は、一種のPRであって、知名度を向上させ、売り上げ増に結び付けたい、となるでしょう。 割引券を出すような企業などでは、株主への割引き販売は利幅が少ないが、売り上げ増になり、スケールメリットを得ることが出来ると言うこともあるでしょう。

しかし、現在では、図書券やクオカードやカタログギフト、お米など、会社の販売している商品やサービスでなく、なにがしかの品物を購入して、株主に配っている企業も多くあります。理念的な趣旨とは少し違っています。

では、企業に取って株主優待をする実質的な意味は何でしょう。

  1. 個人株主を増やすことにより、総株主数を増加させる。
  2. 株価を上昇させる。
  3. 安定株主を増やして、敵対的な買収から防衛する。

このあたりが、企業が実質的に目的とするところだと思います。ではなぜ、それを目的に優待をする企業があるのでしょうか。

1の個人株主を増やすことにより、総株主数を増加させる。

これは流動性を高め、売買を活発化させる意味と、単に株主数を増やしたいと言う意味もあるでしょう。 企業に取ってそれを目的にする理由は、株価の上昇を計っていると言うことでしょう。又は、現在の証券取引所より、より基準の厳しい取引所に上場するために、基準株主数、基準流動性を高めたいと言うことです。

現在、新興市場等に上場していて、より大きな取引所(東証1部など)に上場するための利益水準などの基準を満たしていても、株主数の基準にわずかに及ばない、又はぎりぎりであるところが少なくありません。そういう企業が株主優待制度を、新たに又は最近作っていれば、目的は自ずから明らかです。

こういった企業は上昇志向が大きく、又、営業上のステータスの必要性などで、より大きな市場に出て行きたいのです。多くの場合、事業に自信を持っていて、資金調達の機会も狙っています。どうですか、株価上昇の匂いがしませんか。

2の株価を上昇させる。

この目的の企業の多くは、有利な株価で資金調達をしたいのでしょう。常に投資や業務拡大の機会を狙っているところです。M&Aのための資金調達の意味で高株価を指向している場合も多いです。もしくは上位の市場への上場のための時価総額が足りないので、株価を上昇させたいと言うこともあります。

(ただし、中には財務内容が逼迫している所などで、優待を止めたら、株価が急落してしまうので、無理をして優待を続けている所もありますので、注意しましょう。)

3の安定株主を増やして、敵対的な買収から防衛する。

これは内容的に買収されるかも知れない恐れがあるところでしょう。こういった企業は、概ね資産などや事業が安定していて、長期投資に向く企業とも言えます。そして、 資産や業務内容に対して、株価が割安で買収する妙味があるところです。やがては大きく見直され、株価が上昇するかも知れないと思いませんか。

もちろん、他の理由もたくさんあります。同業他社がしているから、本当に株主に報いたいだけ、株主優待の理念から、もしくは、商品のPR、優待割引での売上げ増など、理由は様々です。

しかしながら、株主優待を実施している企業の中から、魅力的な投資対象として、ふさわしいところを見つけるのは、実にたやすいとも言えます。そもそも優待だけでも魅力的なものが多いので、案に相違して株価が上昇しなくても損にはなりません。

株主優待銘柄を買うと言うことは

当サイトは中長期投資を基本として解説をします。ですから、優待(だけ)目当ての方のような権利日に向けて購入する、又は、両建てで優待権利だけを取ると言うようなスタンスではありません。もちろん、それも否定するつもりはありませんので、そういう解説も徐々にしたいと思っています。

目的を明確に

基本の買い方としては、有利な優待銘柄を保有することと、株価上昇を期待するということの二つを明確に分けて下さい。

分けていても方針の変更や状況の変化、株価の動きなどのために、渾然とすることもありますが、始めにこの見極めがありませんと、購入することが出来ません。また購入の仕方が違います。

株主優待が主な動機

優待目当ての場合は、少なくとも優待利回り3%以上のものを狙って下さい。もしくは配当と併せて3パーセント以上。

これは利回りが少ないと意味がないと言うこともありますが、優待がお得だと言うことは、株価の下支えになります。

市場全体が下落するような時にも優待の魅力のある株式は、その下落幅が少なく済みます。又、優待が有利であればあるほど、株価の動きが読みやすく、手放す時も権利日の上昇した時を狙っての売却も出来ます(もちろん、権利落ちが少ない習性の銘柄では権利を取ってから)。逆にあまりに利回りが大きなものは、企業内容や優待内容を良く確かめ、優待の改悪リスクを勘案して下さい。

そして、最低単位での購入が基本です。株数によって優待がお得になるものもありますが、利回りは最低単位での購入が一番良いのが普通です。

もっと欲しい場合、名義を分散させて購入します。これは優待品が二つ欲しい場合も同じです。

配偶者や子供の名義で購入すれば、利回りの良いところで購入出来ます。未成年口座については、以下で解説します。

又、なるべく購入金額の少ないものにします。これは万一下落した場合、被害が少なく済みます。高くても単元の購入金額30万円程度以下のものが良いでしょう。

さらに配当の出ている物を購入して下さい。優待の廃止や改悪は株主総会の決議を必要とせず、役員会のみで決まります。しかし、多くの場合、優待が廃止になるのは、無配になった後です。優待は最後まで残る場合が多く、優待銘柄は優待が廃止にならない限り、株価の下落はやや限定的です。配当が出ていることが一種のバロメーターになります。

わずかであっても配当が出ていることは、優待が継続する分かりやすい指標です。又、配当利回りは1%以上のものがふさわしいです。

財務体質が安定している物を選びます。株主資本比率、最低20%、もちろん30%は欲しいところです。そして、浮き沈みの大きな業界ではなく、業績が安定している所を選びます。急成長企業より、古くからの企業のほうが安心が出来ます。

株価上昇益が主目的

この場合、一つの銘柄に複数単位以上を購入する事もありますが、やはり一つの銘柄に資金を集中させ過ぎるのは避けます。 その他のことは個別判断になりますが、業績、利益率が良く、財務体質が良い物を出来るだけ選びます。多少の株価上昇でなく、大きな上げを狙う場合、比較的に新しい企業で、成長期にある銘柄を狙いますが、それでも財務体質のあまりに悪い物は止めておきます。配当は全く気にしなくても良いのですが、利益が出ていない所、もしくは売上げが増えていないところは不可です。

当サイトでは、優待を何度も貰いながら、大きな上げを狙いますが、うまくいかない場合もありますので、財務体質は重要です。

又、なかなか上昇しない場合や長く待つ場合などを考えると、優待が自分に取って欲しいものであることは重要な要素です。

もちろん、子供の名義での購入も可です。少しばかりの預金を将来に残してあげるより、成長力のある企業の株を少量買って置いてあげるほうが、将来、大きな価値をプレゼント出来るかも知れません。あなたに感謝するでしょう。優待品も貰い続けられます。

この場合、息の長い長期成長を狙い、やはり一つの銘柄への集中は避けます。上がらない株、駄目な株が少しはあるのは想定内です。

未成年口座について

株主優待銘柄を複数単位もって、それぞれに優待を貰うために、家族で名義を分散することがお得になったりします。 それぞれに証券口座を開きますが、親や奥さんなどは購入に自分のお金を使えば、全く問題がありませんが、未成年の子供口座について少し書いておきます。

未成年の子供口座では、普通は親のあなたが親権者として子供の財産の管理運用をします。しかし、あくまで子供の財産になりますので、元が親のお金であれば、贈与税の非課税の範囲の年間110万円以内で、口座にお金を移します。それ以上は贈与税を払って移動することになります。既に贈与した以前からの子供名義の預金などから移す場合は構いません。

取引は親権者としてあなたがしますが、儲かったお金などをあなたが勝手に引き出して、あなたのものにすることを繰り返すと、単なる名義貸しに見なされますので、注意してください。

あくまで子供の財産であるとの認識を持って下さい。子供の将来のための株のプレゼントとして考えて下さい。もちろん、株主優待品などは家族全員で有意義に消費、使用して構いません。

未成年口座を開設できる証券会社については、こちらをご覧下さい。

優待品を選ぶ

どのような株主優待を実施してる銘柄が好ましいかということですが、もちろん自分が欲しい物が良いに決まっています。 しかし、ここでは優待株投資という観点から、論評します。

そう反する要素が強いのですが、良い物、欲しい物、そして、会社負担が少ない物が最もふさわしいでしょう。 良い物、欲しい物と言うのは人によりある程度違うでしょうし、自分では買わないけど、貰える物であれば欲しいということもあるでしょう。

それでは会社負担の少ない物を考えて見ます。

中には会社の負担など多くても、高い物がたくさん欲しいと言う方もいるでしょうが、当サイトでは株主投資という観点から優待株を考えます。

会社負担が大きいと言うことは、実はあなたの取り分が少なくなると言うことです。あなたは会社の持ち主の株主であり、あなたの会社が内部留保した資金は、事業投資などに使われ、会社の成長を加速します。 そして、成長は株価の上昇という形で現れ、あなたの資産になります。株主優待制度維持のための負担が大きければ、それもまま成りません。

目先の欲に目がくらみ、金の卵を産む鶏を殺すような愚か者は、永遠の優待マニアとなり、資産家にはなれません。

そして、これは非常に重要な事ですが、負担が少ないと言うことは、今後も長い間、株主優待が実施され続ける可能性が高く、負担が大きいと言うことは、何かの機会や業績の悪化で、すぐに株主優待が縮小、又は廃止される可能性が大きいと言うことです。

優待が廃止されると言うことは、株価にも影響します。つまりあなたの資産が減少すると言うことです。優待が無くなることと相まって、大変な打撃です。少々良いと思われる優待を貰っていたとしても、何にもなりません。目先の欲に目がくらみ、今日の百円を得るために、明日の1万円を無くすようなものです。

ですから、長期投資であれば、会社として優待制度にどの程度の経費を掛けているか、その点も考慮しましょう。優待品よりも長期的な株価上昇のほうが遙かに利益が高いということを肝に命じましょう。

では、しょぼいものが良いのか、いえ、そうではありません。会社として経費が掛からず、良い、価値の高いものはあります。普通に購入すれば対価が高く、会社としては経費が少ない物が、最も安心でふさわしい物です。実はそういう物はたくさんあります。

それは自社製品やサービスの提供です。もしくは事業で取り扱う物品の提供です。

実際にあなたが購入するためには、高いお金が要るかもしれません。しかし、会社負担としては意外に少ないのです。製造業であれば、工場原価は普通は3割程度です。飲食業などでも、食材原価などは3割程度です。その他の業種でも、実際の製品の会社負担はそれほどありません。

会社負担の大きい物は、購入して配布しなければならない、クオカードや、自社に関係の無い商品のカタログ品提供や、お米などの産品など、自社に関係の無い商品の提供です。 こう言う優待は常に廃止される可能性もあると考えておきましょう。

優待銘柄はリスクヘッジにも

株式投資を行うに当たって分散投資を心がける方がいます。
それはそれで良いのですが、市場全体が下落することもあり、分散してもリスクヘッジになるとは限りません。また、持株が上昇しても分散した下落銘柄で投資効率を下げることになる可能性もあります。

まず株式とそれ以外の分散も考慮する必要がありますが、株式の中での分散投資は、ただ分散すれば良いと言うものではありません。
お互いにカバーするために輸入主体銘柄と輸出主体銘柄に分散すると、いつも相反してプラスマイナスゼロになってしまうかも知れません。

株式の中で分散するには、値上がり可能性が高い銘柄と、下値不安の低い銘柄の分散、つまりそのようなリスクヘッジが相応しいと私は考えています。

そのためにも優待銘柄です。人気のある株主優待銘柄は、市場全体が下げるときでも下落率が低くなります。
値上がり期待の高い銘柄と、固い高利回り優待銘柄の分散。もしくは、値上がり可能性が高い優待銘柄と、人気のある高利回り優待銘柄の分散。

こういったヘッジであれば、市場環境が良いときは、値上がり期待が高い銘柄が先導して資産を増やします。何とかショックのような市場全体が下落するような場合でも、固い優待銘柄が最低限の資産保持をしてくれます。
その時に固い優待銘柄を売って、その資金で大きく値下がりした銘柄を買いに行ってもよろしいでしょうし、優待を貰いながら市場の回復を待つのも良いでしょう。
株式資産に株式優待銘柄を一定以上入れると言う事は、一定の安全が担保されることなのです。

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