今月22日より、全国のファミリーマートでRIZAPブランドの低糖質フード、ドリンクが販売されています。
パン、ケーキ類と、デザート類、チルドドリンクなどです。
また、全国のピザハットでもRIZAPの低糖質ピザが販売されています。

低糖質は不可逆的な世相の変化

ファミリーマートを傘下に持つ伊藤忠商事の岡藤社長は、低糖質への回帰は不可逆的な変化と見なしているようです。

元々人という種は、糖質を取ってきませんでした。※糖質 =(食物繊維を除く炭水化物と、糖分)
人間が取っていた糖質は、1年間で小さじ30杯ほど。それが農耕が始まってから増え、今では1万倍以上に増えています。
これは血糖値を下げるホルモンをインシュリンしか獲得していないことでも分かるとおり、人に取って比較的に新しい食性でした。
糖質を多く取るようになってから、肥満、糖尿病、心臓病、癌などが増えてきたと疑われています。

低糖質は健康に危険と言う意見もありますが、それらの症例は、糖質を減らした代わりに、たんぱく質や脂肪を増やさなかったことが原因です。単に抜いてしまって食事の総量を減らすと問題があるのは当たり前のことだと思われます。
本来人間は糖質は取っていなかった事でも分かるとおり、高糖質こそ問題が大きく、単に糖質の占める比率をどうするかという問題です。(赤ちゃんも母乳だけで低糖質で育ちます)

人は、足りない必要な糖をたんぱく質や脂肪から作り出します。これを糖新生と言います。
本来、こうした機構で糖質量をコントロールして来たのです。それが今では過剰な糖質の摂取でコントロールが出来なくなっています。
糖尿病は多くの場合、糖質の取り過ぎで、持っているインシュリンの生産能力が破綻を向かえたことから起こります(概ね一生で分泌できる総量は決まっているようです)。

そして、ついに世界保健機構(WHO)が糖質を減らすことを推奨しました。
また、糖質の多い清涼飲料水などに15%ほど課税する提言もしています。

多くの企業が糖質制限に向かって走り始めています。
しかし、糖質は、既存利権と結びついています。糖質制限は困るメーカーや産業があります。穀物取り扱いが多い大手商社も動きが鈍くなります。

繊維やブランドビジネスに展開していた伊藤忠商事は、この間隙を突こうとしています。
そして、糖質制限はただのダイエットブームでは無く、現代人は糖質を取り過ぎており、本来の人間の食性への回帰の動きであり、不可逆的な変化と見なして行動しているようです。

RIZAPブランドのフード

全国18000店のファミリーマート、サークルKサンクスでRIZAPブランドの低糖質パンなどが11月22日から一斉販売をされています。

RIZAPのデザート
RIZAPのプリンとコーヒーゼリー

これは伊藤忠商事とファミリーマートとのヘルスケア、ライフスタイル領域に関する包括提携の第一弾としての取り組みですので、時限的なものではありません。
RIZAPも一過性のものには興味が無いと言っています。売れ行きにも寄りますが、今後、拡大していくものと思われます。

コンビニの低糖質フードの展開に関しては、ローソンが先行しています。
ローソンでの売上は、低糖質ブランパンで100億円規模です。その他、低糖質ビスケットなどや減塩などの他の健康食品を含めて1500億円の売上を出していて、本年度は3000億を予定しています。

ブランパンは、当初は全く売れなかったのですが、倍々ゲームで売上が伸び、ローソンの戦略商品になっています。
なぜなら、このパンを購入するために来店するリピーターが多く(70万人以上)、ついで買いで売上が上がるからです。重要な集客アイテムと言えるかも知れません。

今回、ファミリーマートとRIZAPは、このローソンとぶつかることになりますが、ターゲットにしてる客層が少し違うようです。
ローソンのほうが糖質は少なくなっています。しかし、食べ比べて見ますと、やはり美味しいのはファミリーマートのものと言われています。
正直、私もローソンのブランパンは味気ないと思いました。ブランクリームサンドはまあまあでしたが、後味にふすま味がします。
(ファミマのものは、違和感なく美味しいと思いました。)

RIZAPのフード
チョコチップスコーンとチョコチップケーキとハムチーズロール

どうやらファミリーマートは、コアな低糖質訴求者より、ダイエットや健康が気になる程度のもう少し一般的な方を対象にしているようです。
ご飯一膳の糖質は55グラム以上ですから、糖質として圧倒的に少ない訳ですが、この商品にもし、RIZAPのブランドが付いてなければ、ローソンのものに比べると、低糖質としてはインパクトが少なかったと思います。RIZAPブランドがあってのものと言えます。
RIZAPブラントを使って、このボリュームターゲットを狙って行き、規模を追求するのは、伊藤忠とファミリーマートの戦略でしょう。
低糖質への不可逆的な変化としての一般的な健康志向と考えているためと思われます。

さて、今年のローソンの健康訴求食品の計画は3000億円ですが、もし、ファミリーマートに1500億円の売上があった場合、ロイヤルティーと共同での開発権利料を足して5%として、75億円の純粋な利益がRIZAPグループに転がり込みます。
普通のブランド使用料は、3~4%ですが、開発にも係わっており、RIZAPブランドが最低レベルの権利料とも思えません。また他の大手コンビニからも誘いがあり、断っていると言う事ですので、相手側の提示に合わせてもっと上積みがあったのかも知れません。

いずれにしても、非常に大きな取引になる可能性を持っています。
これは第一弾ということでもあり、また、ダイエットに関する食品は数限りなくあり、ピザハットのような他のレストランチェーンとのコラボもあり得ます。
現在、誰もがRIZAPグループに手を差しのばしていると思われますので、利益の大きな上振れ余地だと思っています。

中期計画のコミット2020作成時には、このような想定はなかったものと思われ、予定計画の中間的な2017年の1000億円の売上、100億円の営業利益はほぼ達成見込みであることから、コミット2020の前倒し達成もあり得るでしょう。

伊藤忠商事とファミリーマート

コンビニ業界では一強として、セブンイレブンの強さが言われてきた過去があります。
しかし、正しくは一弱として、ローソンの1人負けと言う状況が続いていました。

5年以上前から、セブンイレブンとファミリーマートの売上高シェアは伸びており、ローソンの売上高シェアの伸びは止まっています(シェアが減っています)。
しかもシェアの伸び率は、ファミリーマートがセブンイレブンを凌駕しています。
しかし、売上額としては、まだ二倍の開きがありました。

キャッチアップして行くには圧倒的に足りないものがありました。店舗数と企画力です。
伊藤忠商事はこの状況を打破するために、サークルKサンクスとの合併を粘り強く推し進めました。
ちなみに、合併によって低下した持株比率を今期も500億円を投じて回復します。

もちろん、伊藤忠としては、財閥系商社を押さえて商社日本一の利益を計上した勢いを、このまま継続するため、ローソンの盟主、三菱商事を突き放す目的を第一に持っていました。(三菱系ではピザハットとRIZAPはコラボしています。)
しかし、やるなら日本一として、セブンイレブン追撃への手を緩めるつもりはないようです。

さて、店舗数はセブンイレブンと並びました。
売上もサークルKサンクスと合わせて約3兆円、セブンイレブンの約4兆円が遙か遠くでは無くなっています(スーパー含めず)。

ユニクロを企画力で飛躍させた沢田貴司氏は、この度、ファミリーマートの社長に付き、必要なものは商品力、強い商品に資源を集中させると語っています。
同じみずほグループのRIZAPグループとの協業は、この追撃戦略の一部なのでしょう。

大きな利益と共に

RIZAPグループに取っては、ほぼリスクが無いロイヤルティービジネスが展開できます。しかも利益規模として将来的に多大なものが期待出来ます。

この提携は10月14日に発表され、11月22日に第一弾が実行されました。
この素早さは異例であり、まず取り急ぎ先行出来るものから実行したと言う事でしょう。今後、何が出てくるか目が離せません。
また、売れ行きも未知数なため、これらはまだ株価に織り込まれていません。

さらにコンビニ3強の一角との提携は、その他にも得るものが大きいと思われます。
すでにRIZAPの名前は知らない人はいない状態ですが、もっと身近なものとして認識されていくものと思われます。

心理学の単純接触の法則はご存じでしょうか。接触する機会が多ければ多いほど、人は好意的に感じます。
RIZAPは高額でもあり、ややもすると胡散臭いと思われる部分もありました。しかし、これからは、少し異質な存在から身近な存在に移っていきます。
大きな変化の始まりです。

徐々にでしょうが、これも不可逆的な変化です。やがては株価にも大きく影響していくものと思われます。

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