一ヶ月ぐらい入院していた訳ですが、その間、持ち株や取引はどうしていたかと言いますと、そのままの状態で、ほとんど市場を見ていませんでした。
実際は、少し買い立てをしましたが、まあ、基本的にほったらかしでした。他の投資家の方の常識とは、少し違うのかも知れません。

このサイトは中長期投資を専門に扱っています。
期間はそれぞれアバウトなのですが、私は中期で一年は考えていますので、特に断りがない限り、中長期と言えば、数年を考えています。もちろん、場合によっては、十年、二十年、もしくは一生資産として持つ可能性も考慮します。

必ずしも売ることが前提では無く、売る必要があれば売り、その必要と理由が無ければ資産として保有し続けると言うことです。もちろん、それはそれなりの銘柄で無ければなりませんので、大抵はどこかで売却をする可能性が大きいのですが、、、

さて、短期投資は、短めの波動の山を取っていきます。中長期投資は、大きな波動の山を取っていきます。
多くの場合、市場の動きを利用するのが短期投資あるいは投機で、企業の成長を見るのが長期投資です。中期投資というのは、業績揺れを見たりします。
ここで、投機と投資を考えて見ます。

投機と投資

そもそも相場というのは、乖離を取っていくものです。乖離というのはギャップです。

未来から見れば、現在の株価は、すべからず間違っています。それが是正されることで相場変動があります。そのギャップを取っていくのが、相場で、これは投機でも、投資でも同じことです。期間の違いとその価格形成の違いがあるだけです。

この株価はおかしいと言う問いに対して、市場で今付いている値段が正しいと言うような言い方がありますが、それは逆説的に言っているのであって、相場と言うのは、いつも間違っています。もしくは間違っていると思われているので、正しいと思われる方向に動きます。

もちろん、今その値段で売り買いされていますので、それはそれで真実です。しかし、市場が常に正しいと言うのであれば、「効率的市場仮説」の理論が正しいと言う事で、市場全体のパフォーマンス以上の利益を望むのは不可能と言う事になります。

市場の価格形成を神の手と言ったり、市場と言うものに対する理論は数々ありますが、私は常に市場は根本的に間違っているか、それなりに間違っていると判断しています。
それが相場そのもので、それをそれなりに是正していく過程が相場変動の大部分です。ですから、そのギャップを取っていくのは、投機でも投資でも同じです。

パイプラインの思想

ここで投資を考えるのにあたって、投資のもう一つの観点、パイプラインを考えて見ます。権利と言う事です。

ある村に2人の若者がいたとします。その村は水源が遠く、山の上の泉から水を運ばないと生活が出来ません。

1人の屈強な若者は、毎日山に登り、水を運んで来て、その水を売って生活をしていました。毎日水を運ぶだけで飛ぶように水は売れ、お金になりました。体も丈夫でしたので、苦にもなりません。勤勉な若者です。

もう1人の若者は、山の上の泉から重い水を運んでくる体力がありませんでした。毎日運ぶことも嫌でした。それほど勤勉ではなかったのかも知れません。
しかし、思うところがあり、竹を切り、節をくりぬき、パイプを作りました。山の上から村まで、その竹のパイプを敷設していきました。
そして、何年も掛かりましたが、とうとう泉から村にパイプを通すことに成功しました。
勝手に水は流れてきますので、村人にパイプラインを使わせることでお金を取りました。彼はパイプラインの権利を持ったのです。

1人は、毎日働いてお金を稼ぎ、1人は、権利をもってお金を得ます。
やがて年月が経ち、屈強な若者も歳を取り、水を運ぶのも辛くなりましたが、パイプラインの権利を持っている元若者は、たまにメンテナンスをするだけで、のんびりと権利料を得ていました。

つまり、パイプラインとは、お金を通すパイプラインです。投機は毎日水を運ぶことと同じです。投資はパイプラインの権利を得ることと同じです。
ここで、権利を得ると言いますと、配当や株主優待だけを考える方がいるかと思いますが、それだけではありません。

会社が努力して稼いだ結果はすべて株価に反映します。会社を所有している株主は、会社価値の上昇としての対価を受け取ります。会社が毎日努力した結果を自分が何もしないで受け取るのです。毎日売買して働く必要はありません。
会社の権利を持っていること、これもパイプラインの権利です。

つまり投資の目的は、株主として、会社の成長の証しや稼いだ対価を得ること、その権利を行使すること。
価格の上昇と、配当と、株主優待、そうです。トリプルパワーです。

効率とは

短期投資が良いか、長期投資が良いか、優劣はありません。その人の性格や向いている能力にもよります。

もちろん、短期投資のほうが圧倒的に資金効率がよろしいです。
ネットの世界では、長期投資の方は俗によくガチホと言い、がっちりホールドを唱えます。それに対して、短期投資の方は、そう言う方をアホルダーなどと揶揄したりします。

確かに、目先、弱含みであれば、いったん売って、買い直すことが得策です。回転売買をすることで、ただ持っているだけより資金効率が高くなります。

しかし、じっとホールドする中長期投資のほうが圧倒的に、生活者としての効率が良くなります。人生の効率です。

毎日のように市場を見て、売買をしなくても良いというのは、毎日水を運ばなくても良いと言う事と同じです。最初に十分な調査をし、検討が必要ですが、これはパイプラインの作成の作業と同じで、まず始めに労働力も投資していると言うことになります。

労働力を使って売買するか、労働力を投資して後はほっておくパイプラインを得るか、その違いが投機、あるいは短期投資と、中長期投資の大きな差です。

波動を見て近未来の波動とのギャップを取っていくことが短期投資で、現在の会社価値と、会社の将来価値を見て、価値のギャップを取っていくことが中長期投資です。

相場の考え方

ひふみ投信のファンドマネージャーの藤野英人氏は、会社訪問のさなかに市場の異常な暴落で緊急連絡してきた運用部の部下に、そんなことで一々連絡してくるなと怒ったそうです。会社さえ見ていれば、一時的な暴落など関係ないと言う事なのでしょう。

中長期投資は損切りの基準も大きく違います。10%の下落やチャート判断などの機械的な基準もありません。そもそも毎日相場を見ていなければ、そう言う判断も出来ません。

中長期投資の損切りは会社の未来やシナリオが想定とは大きく違いそうだと思われたときです。その時は下落していても、上がっていても処分します。損しているか、利が乗っているかに係わらない、単なる見込み違いの撤退です。

インターネット売買の浸透で、売買期間が短くなっています。
分散投資や、損切りのやり方など、短期投資の基準での相場の世界の常識が語られています。
しかし、オマハの賢人、ウォーレン・バフェットも、損切りタイミングや分散投資など、普通、相場で常識的に言われることは、ほぼ無視しています。

相場と人生

似合わないことをすることや得意で無いことをすること、それが一番効率の悪いことです。ですから、実際には効率はその人、その人によって違います。
投資顧問などでは、短期投資を薦めないと、会費や料金が稼ぎにくいため、すべからず短期偏重ですが、指導している人間は、個人的には中長期投資が主体だったりします。

私も気が向けば、毎日相場を見ることもしますし、短期売買(スイングトレード程度)もしますが、長期投資が主体です。
長期投資用の株式は、目先弱いと思っても放置することも多いのですが、これは買い戻しのために市場やチャートを監視することを面倒だと思うからと、よいタイミングの時に私が相場を見ていないかもしれないからです。

私の場合、投資対象の調査をすることは楽しいのですが、相場を見ることは退屈な時間ということもあります。
毎日のように板を見ていることは、砂を噛むような日々を送ることと同じ、そう言う時間があれば、何かの作業をしたり、勉強をしたり、遊んだりしていた方が断然良いことと、体に染みついています。要するに怠け者なのです。しかし、怠け者なので楽をすることを考えます。

しかし、人により、相場が楽しい方も見えるでしょう。そう言う場合は、効率うんぬんでは無く、レジャーですので、お楽しみ下さい。また、短期投資に向いている方も短期でよろしいのであって、この文章は、長期投資が楽で優れていると結論付けている物ではありません。

私に取って、相場は、自分の人生の都合に従属するものです。自分の都合を優先して闘っています。

そうですね。言いたいことは、自分が楽しいように、自分の都合が良いように、相場に向き合いましょうと言う事です。
私はまさにそうしているなあと、入院して、つくづくそんなことを考えました。今日はそれを思いだしましたので、四方山話として書いてみました。

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